第2のクラスタには,「(1) 子どもからお年寄りまでだれにでも使いやすいようにする」「(2) 体が不自由な人が使いやすいようにする 」という項目が来ている。いわゆるハンディキャップがある人への配慮を考えていたことがわかる。さらに,前述した「危険がないようにする」という項目がある。第1クラスタの項目に対して,やや数字が落ちるものの,UDの概念をよく理解して活動していたことがわかる。
(1) 子どもからお年寄りまでだれにでも使いやすいようにする |
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第3クラスタを形成するのは「(4) 製品を見て使い方がすぐわかるようにする 」を中心とした項目である。この概念もUDを考える上で重要ではあるが,他の項目に比べてやや不満が残る結果と考えられるであろう。今年度は,ピクトグラムを考える活動も含まれたいた。指導の余地がこのあたりにあると思われる。
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第4クラスタは,「(9) 見た目をおもしろいデザインにする」「(10) 見た目がきれいなデザインにする 」で形成された。これらの項目に対して,「あまり考えていなかった」とする回答が多いことがわかる。これは,「見た目はあまり考えていなかった」のか,「使いやすさ」に注目する中で気にしなかったのか,あえて考えから外したのかは不明である。しかし,製品開発,デザイン開発という視点では少し物足りないものを感じる。
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第5クラスタには,フェイルセーフの問題や,耐久性,使用時の疲労感,自然環境への配慮などの意味を含んだ項目が並んだ。これらに対して,「考えていた」が約30%,「少し考えていた」まで含めても70%という結果を得た。数年前にこのDプロジェクトのUDの活動をの調査を行っている。始めた当初に比べてこの割合は増えてきているが,まだまだという結果であると考える。
UDには,多岐にわたる概念を内包していて,児童・生徒にはその全てを理解させることは非常に難しい。しかし,指導者の方で,「使いやすさ」を強調しすぎているきらいがあるのではないだろう。せっかくUDに取り組む機会を得たのであるから,指導者側もUDの様々な意味を理解させるよい機会と考えて,活動を支援することが大切であると考えている。
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2. UDの活動をして、今までと変わったことは何ですか。
指導者へのアンケートでは「子どもたちの見る目が変化した」という報告があった。「視点が変化すること」が学びに繋がっているということである。子どもたち自身も「(2) UDの意味がわかるようになった」「(3) UDを必要としている人の気持ちがわかるようになった」と考えていて,自分の変化に気づいていることがわかる。
(3)UDを必要としている人の気持ちがわかるようになった |
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第2クラスタには,「(1) UDになっているものに気がつくようになった」「(4) UDにしたらよいと思うものに気づくようになった」「(6) これからもUDのことを考えて生活していきたい」という項目が並んだ。UDの概念を理解して,それが日常化したことを伺える結果となっている。
(4)UDにしたらよいと思うものに気づくようになった |
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(6)これからもUDのことを考えて生活していきたい |
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以下,第3,だい4,第5クラスタは,自分の作品やアイディアに対する自己評価を聞いている項目が並んだ。「(7) 自分の考えや思ったことが見た人にうまく伝わるようにしようと思った」など,他の人の目を意識しているかということは,「気にはしていた」と答えている割合が多いことがわかる。
最後の,「(5) 自分のUDのアイデアはよくできた」という項目があがるような授業設計等を考える必要があると思われる。
(7)自分の考えや思ったことが見た人にうまく伝わるようにしようと思った |
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(9)自分がやりたいと思ったことを自由に表現できた |
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(8)自分のアイデアをほかの人がみて、どう思うか気になった |
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(10)たくさんの人たちに自分のアイデアを見てもらえてよかった |
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