子どもたちにとって自分たちが学んだことを発信したい!発信しなければならない場面は,実は学習の中にたくさんあるはずです。でも,「発信したつもり」で終わってはいませんか?この「4コマスライド」は,相手・目的を設定し,自分たちの伝えたいことが伝わるよう様々な工夫をしながら,4コマのスライドショーにつくり上げていく活動です。
国語でのお話つくりや,社会や総合的な学習などで調べたことをまとめる時,筋の通ったストーリーを作らせるのに困った経験はありませんか?言いたいことを羅列するのではなく,言いたいことがわかりやすくなるような構成を考えさせることが大切です。
このプロジェクトでは,使う写真(絵)を4枚に制限し,それぞれを説明する文章の文字数も制限することにより,構成や表現を工夫しなければならない場面に子どもたちを追い込みます。さらにグループで活動させることによって,コミュニケーションの力を養うことも期待できます。
重点
このプロジェクトでは,スライドショーの作成を通して,映像(写真や図)と言葉,音楽を総合的に用いて表現する力の育成を図ります。
まず,自分たちが学んだことを伝える相手や目的を設定します。
次に,4枚の写真(絵)を選び,並べ方を話し合います。並べ方が決まったら,文章を付けていきます。思いが伝わる表現を認め合いながら,文章をブラッシュアップしていき,最後にスライドショーに合わせて読んで(録音し,音楽を付けて)完成となります。紙芝居,コンピュータでスライドショーを作りそれを見せながら読む,コンピュータで朗読入りのスライドショーを作るなど,色々な方法が可能です。またコンピュータを活用してスライドショーを作る活動も,子どもたちの発達段階に応じて教師がやったり,子どもたちに任せたりすることができるので,色々な学年の色々な学習で取り入れることができます。
例えば,国語の「物語」「紹介文」「ニュース」などの書く活動では,発達段階に応じた文章構成や表現に焦点を当てながら学習を進めることができますし,書いた文章の読み方の工夫も学習のめあてにすることができます。また,総合的な学習の時間に学んだことをまとめたり発表したりする活動では,写真からの情報の読み取りや選択,文章構成,表現と,より総合的な情報活用能力の育成を期待することができます。
参加される担任の先生の工夫とアイデアで色々な活動が可能になるというのも,このプロジェクトならではの特徴でしょう。
研究
このプロジェクトを立ち上げて2年目。昨年度の実践を通じて,「伝えたい事柄に合わせて,映像や音楽を収集したり選択したりする力」「それぞれの発想を生かしながら,相手の視点に立って,メディアで効果的に表現する力」「目的を考えながら作品を評価し,自己の学習をふり返る力」が育成できることが少しずつ明らかになってきています。
今年も実践を通じて,子どもたちにどのような力が育成されるのか模索していきます。参加されたみなさんと一緒に探っていきたいと思います。
プロジェクトについて
教科やテーマを自由に設定できるため,色々な発達段階や教科等で実践を行うことができます。したがって,実践内容や時期も多様になるため,学校間の交流は難しくなると予想されます。しかし,各学校で教師がどのような場を設定して実践を行ったときに子どもたちの活動が活発化したのか,どのような助言をしたときに子どもたちの思考が深化したのかなど,メーリングリストで情報交換することで知恵を集結させることができます。一人一人の小さな工夫が,お互いの実践の支えとなります。
|