スライドショーで思いを発信しよう:実践の流れ(10)作品評価を行い、学習を振り返る

教師の手だてと子どもたちの姿

第13時間目。最後の時間である。作品への評価を行いながら、学習のまとめを行っていく。
子どもたちには次のように述べた。
「今日の学習のめあては、コメント力を高める、ということです。作品を見て自分なりの感想や意見を表現する力をつけることです。」
子どもたちは真剣に聞いている。その学習の意義や目的などを聞くとき、子どもたちも本気度が高まる。
そこで、「一つの作品を見たら、必ず自分のコメントを班のメンバーに言葉で伝えなさい。メンバー全員が言えたら、今度はコメントを短冊に文章として記入しなさい。」と指示した。
なぜかといえば、作品へのコメントを全体の前で言わせようとすると、限られた子どもしか言えないからである。4人のメンバーが、それぞれに自分のコメントを伝え合うことで、子どもたちは考えるようになる。考えたら短冊に記入をしていく。
この学習はにぎやかになる。スライド作品の上映が一つずつ終わるたびに、あちこちから感想や意見が飛び交う。 「映像が音楽と合っている」「最初と最後が同じ映像だった」 「最後のナレーションが印象的だった」といった意見が出てくる。子どもたちは、それぞれのコメントを聞いた後、小さな短冊にコメントを文章で記入していく。そのコメントは自分が発言したものであってもよいし別なものであってもよい。同じメンバーが発言したもので納得したら、それでもよい。
3分ほどで次のスライドの上映にうつる。子どもたちも3分で話し合って文章を書かなくてはならないから大変ではある。最初は、なかなかコメントが言えなかった子どもも、少しずつ言えるようになってくるから不思議なものだ。
9つすべてのスライドを見てコメントを記入していくのに30分かかった。しかし、一部の子どもだけが発言する授業よりははるかによい。今度は、その短冊を、それぞれ相手の班に配る。書かれた班の子どもたちは、「自分たちの作品へのコメント」を注意深く読んでいた。
残りの5分間で、子どもたちは、自己評価カードを見ながら学習を振り返り、まとめの作文を書いていった。

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映像作品を評価する時間をもうける
ここでのポイントは、映像作品を評価する時間をもうけるということと同時に、それをメンバー全員に伝えるということである。作品の評価は、完成の喜びを全員で味わうとともに、達成感を促すことになる。また、それぞれの考えを聞き合うことで、新たな視点が獲得していくことにもなる。
また、自己評価カードを見ながら、「自分は何を学んだのか」ということをレポートすることによって、子どもたちは学習の意味を再確認すると同時に、自らの効力感を高めていくことになる。自己評価とは、自らの学びを評価することである。活動内容を思い出しながら、自分の中の何が変化したのかを自らの言葉で語ることである。そのことによって、子どもたちの思考は深まっていく。
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