スライドショーで思いを発信しよう:実践の流れ(4)身近な場所の課題を発見する

教師の手だてと子どもたちの姿

ユニバーサルデザインの工夫を共有できたところで、学校の近所を見て回ることにした。クラスの半分は、学級担任が学校の北側を引率。あとの半分は、私が学校の南側を引率した。「町の様子」をユニバーサルデザインの視点で見つめなおすためだ。
◎  今日は、二つの班に分かれて、工夫した方がいいものを探しました。今までは、ユニバーサルデザインはこの校区にたくさんあるだろうなと思っていたけど、実際に探そうとすると、あまり見つからず、困るものばかりありました。今度は、今日とった写真をもとに、どうしていけばユニバーサルデザインになるか考えたいです。
◎  まわりのユニバーサルデザインではないところを探しにいった。スロープがついてなかったり段差があったりした。特にトイレは、悪いところがたくさんあった。ピクトグラムがなかったり、入り口が狭かったりした。もっと広くすることでユニバーサルデザインになると思う。
◎  ふだん、何気なく使っている物でも「お年寄りだったら」「車椅子の人だったら」などと視点を変えてみてみると「椅子には背もたれがあった方がいい」などと色々な考えが浮かび上がって驚いた。
◎  ふだん、何回も通っている道でも、はじめて気づいたものがあった。もし、自分が目が見えなかったら・・・と考えてみることが大切だと思った。
◎  今日は、公園に行ったけど、ユニーバーサルデザインが少なかった。もし、ぼくがお年寄りだったら、ここに手すりがあったらいいな、と考えた。外国人だったらピクトグラムがあったらいいな、と思い写真をとった。ぼくは、最初よりも、だいぶユニバーサルデザインに近づいた気がした。

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公園のトイレは古いものが多いので、入り口は狭いし、段差も多い。同様に、水道の蛇口も飲みにくい。道路には、点字ブロックがあるのだが、工事のためにつぶされたり、くずされたりしている。こういう部分は、ふだんは目に付かないのであるが、視点を変えてみると、色々と見えてくる。その部分を、子どもたちはデジタルカメラで撮影していくことになる。つまり、ユニーバーサルデザインの視点で見つめ直すと「不便だ」と感じるところを映像にしていくわけである。
このことが、差異やズレを比較し、実感させるということである。つまり、アクアドームにある「理想型」と、学校周辺の「現実」とのズレである。そのズレを感じたときに、子どもたちは、考えることになる。
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