教師の手だてと子どもたちの姿第7時間目の授業である。全員で教科書の「提言」の例文を読む。その後、作成しておいた1分間のスライドサンプルを見る。
サンプルで使用した写真は6枚。以下の三つのカテゴリーから2枚ずつ選んだ。 1枚10秒の6枚。ちょうど1分のサンプル作品である。
1)アクアドームの中にあるユニバーサルデザインの写真
私は、子どもたちに、「たとえ、36名全員が提案を作文に書いても、誰も読まないでしょう。先生に提出しても、ホンモノの『提案』にはなりません。できれば、スライドにしてインターネットでみんなに見られるようにしたいと考えています。」と説明した。2)ユニバーサルデザインの視点でみると改良の余地がある写真 3)著作権フリーの人物(福祉関係)の写真 このあと、あらかじめ印刷しておいた写真の一覧からスライドに使うための写真を6枚選ぶことになる。一つのグループに4名の子どもたちがいるので、当然色々と話し合うことになる。 アクアドームの中のユニバーサルデザインの写真が70枚、改良の余地があると思われる写真が約60枚前後(班によって異なる)、それから著作編フリーの人物の写真70枚から選ぶ作業である。合計200枚の中から選ぶので、けっこう時間がかかる。 選んでは、原稿枠の上に並べていく。そしておおよそのストーリーを話し合って、教師に説明するというプロセスになる。子どもたちの自己評価カードからも、その大変さが分かる。
「メディア創造力育成」は、ここで!
40名がそれぞれに提案文書を書いたところで大人が見る機会は少ないし、説得力をもたない。むしろ、説得力のある映像作品をつくることで、多くの人に考える視点をもたせるような作品の方が、よりリアルで必然性のある課題を設定することができる。
ストーリーを考えながら、写真を選ぶ作業は、グループで行うから意味がある。他のメンバーを説得するためには、写真を並べて説明しなくてはならないからだ。「この写真を最初にもってきて、『みなさん、ここはどこだと思いますか?』と語りかけたらどう?」とか「最後はこの写真にして、見ている人に考えてもらうといいんじゃない?」といった声が聞こえてくる。 そうやって少人数が意見を出し合い、それぞれが真剣に考え悩んでいく。建設的妥協点を見いだすために、子どもたち一人ひとりが考えることになる。また、そのことが、発想力や企画力を刺激していくことにもなっていく。 |
||||||||||
← 前のページ | × 閉じる | 次のページ → |