デジタル表現研究会
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先生の道具箱 実践事例集
 
神奈川県 横浜市立東希望が丘小学校 安冨直樹
小学校3年生/社会・総合
どこにどのような説明(テロップ)を入れれば,「自分の思いや意図が効果的に伝わるのか」という表現力を育てる
グループで一つの作品をつくる場合は,相互の意見交換によって企画力を育てる
静止画と動画、それぞれの情報の違いや利点を理解し使い分けて表現することができる
 
 
テロップ案を話し合っているところ
(みんなで囲んで見やすくした)
デジカメで撮りためた写真を見せるときに,ただのスライドショーが,ちょっとした工夫で映画のようになってしまいます。このときに,どの写真をどの順番で並べるのか,どんな効果を使うのか,音楽はどれを使えばよりイメージに合うのかなど,子どもたちに身につけさせたい総合的な表現力,そして企画・構成力が育ちます。
活動の流れ
※最初に、完成例として見せる。できあがりがイメージできるので,意欲的に取り組める。
1.   どのような物語にするのか、グループで物語の構成を考える(テーマを事前に絞っておいてもいい。「地域学習のまとめ」「ごみ問題」「○年生の思い出」等々)
2.   デジタルカメラで使用する写真を撮影(事前に撮り貯めてある画像を使う場合は、その選定)
3.   動画編集ソフトに画像を取り込む
4.   ストーリーにあわせて写真の順番を順番を入れ替えたり,写真の枚数を減らしたりしていく。1枚を5秒表示させるとすると,12枚で1分ぐらいの作品となる。最初はこの1分を目安にして取り組ませた
5.   タイトルやテロップを画像に重ねていく
ソフトウェアの操作方法は、全員に周知徹底するのは難しいが、教師が子どもたちに1つ1つ提示しながら,とにかく最後まで一気に説明することがポイント。最後まで説明をしてから,よく分からなかった子どもに個別指導するようにしたい
6.   作品の雰囲気に応じた音楽をBGMとして貼り付ける
7.   班内で完成作品を視聴し、改善点を抽出し修正していく(外部からの評価を得るなど、柔軟な考えを取り入れていく)
8.   クラス内や校内で「上映会」。完成作品は、MPEGなどで書き出し、校内サーバー、webページ、記念CD-ROMなどへ収録する
 
さわやか9(デジカメで撮影するときの工夫)遠近感を利用
 
画像を編集しているところ〈1〉
 
画像を編集しているところ〈2〉
 
学習環境
デジタルカメラ
 
利用するソフトウェア名とその機能
Adobe Premiere
→ストーリーボード、テロップやサウンドの挿入
実践者の声
この実践では、スライドの構成が決まり写真さえ撮影できれば、
《ホップ》デジタルカメラで撮った写真を並べる。
《ステップ》テロップを作る。
《ジャンプ》音楽を入れる。
の3ステップで静止画を並べた映画のような作品が完成します。

このスリーステップは実際に「ビデオ映像」を扱う場合もかわりませんので、この活動で,子どもも教師も,知らず知らずのうちに、動画編集への1歩を踏み出すことになります。

グループ活動で行えば,静止画をどのように見せれば効果的なのかを,子どもたちはよく考え,話し合います。このとき,個と集団のかかわりが見られ,子どもの成長を教師が感じることができます。「コミュニケーション力」が,作品を仕上げていく過程で,育っていくと言えます

音楽を挿入するときは,著作権への注意が必要となります。ホームページ素材集「音楽版」やインターネットのフリー素材などを活用するなどして、十分に配慮し、子どもたちにもその認識を仰ぎたいと思います

なかなか一度では,子どもたちが豊富な機能を使えるまでには至りません。意図的に動画編集の機会を設け,繰り返し活用するようにし、学習時間にも余裕を持って取り組みたいとおもいます。完成した作品は短いものでも、その製作過程にこそ学びの場があるということが実際に実践してみてわかりました。

 
生徒の声

簡単に映画のような作品がつくれるね

わたしが映画監督になったような気がして、とても楽しい

どんな文字を入れるかで,けんかになっちゃたけど,最後はとてもいい映画風の作品ができてうれしかった

今度は,ビデオでもやってみたい

先生の道具箱 実践事例集