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先生の道具箱 実践事例集
 
三重県 名張市立百合が丘小学校 上谷典秀
小学校4年生/総合的な学習の時間   8時間
CM作りを通して、どういった映像を撮れば自分たちの思いや考えが相手に伝わるかを考える
自分たちにできるちょっとしたボランティアとは何かを考えることによって、いろんな立場の人のことを考える
映像を編集することのおもしろさや作品作りに興味を持って取り組む
 
 
みんなで課題を出し合い、話し合っているところ
福祉をテーマに総合的な学習に取り組み、学習してきたことをもとに自分たちが考えた、自分たちにもできる「ちょっとだけボランティア」をCMにして広めようというのは、子どもたちにとって楽しく意欲的に取り組めるものでした。子どもたちは、短い動画クリップを撮影し、プレミアを使って編集していくことで、簡単に映像作品を作成することができます。見てくれる相手がいるCM作成という取り組みを通して、映像を使って自分たちの伝えていきたいことを表現するためにどんなことを大切にしていけばよいかを学ぶことができます。
活動の流れ
1.   みんなに広めていきたい「ちょっとだけボランティア」を考えよう
2.   何はともあれ、どんなCMが作れるか、作ってみよう
3.   このCMを見た人が、何をしたらいいのかわかるだろうか?
4.   クラスのみんなに見てもらって、自分たちの言いたいことが伝わっているかどうか、感想を聞こう
5.   場面構成を考えて、絵コンテを描こう
6.   シーンに分けて撮ってみよう
7.   プレミアで編集しよう
8.   放送しよう
子ども達の考えたCMの絵コンテ
 
みんなで意見を言い合いながらプレミアで編集しているところ
 
CMをより良いものへ改善しようと相談しているところ
 
学習環境
デジタルビデオカメラ
映像編集用パソコン
 
利用するソフトウェア名とその機能
Adobe Premiere
→動画編集
実践者の声
子どもたちの「やりたい」「作りたい」という気持ちが原動力です。最初からいろいろなことを教えるのではなく、まずは、好きに作らせてみて失敗をさせることを大事にしました。映像というものは視聴するものにとってわかりやすいものですが、実際にその映像を作るとなると伝えたいことを表現することはなかなか思うようになりません。たくさんの情報が埋め込まれすぎて伝えたい内容がぼけてしまいがちなのです。どの情報をどれだけ、どんな切り口で見せると伝えたいことが伝わるか、これに気づかせるために、クラスの他のチームに何度も見てもらってフィードバックをもらいました。子どもたちは、まずはやってみて、失敗して、コメントをもらい、考え直し、作り直す、そのサイクルの中でだんだんと伝えるために大事にしたいポイントに気づいていったようです。また、動画編集も短い動画クリップを並べ替えてつなぐだけで簡単に映像作品を作ることができました。画面切り替えの効果なども自動でつけられるので、子どもたちは操作の面でも難しさを感じることなく作品作りに取り組めたと思います。
 
生徒の声
TVなどのCMのように、本当らしいCMができた
見せ方によって、わかりやすさが全然違うことに気がついた。カメラのとる方向だけでも、見ている人には伝わり方が違う
何度もみんなに、よくわからないと言われて腹が立ったけど、いっぱい言われたおかげで最後によくわかるいい作品ができてうれしかった
最初に作った作品は、すごかった。やっているときは、おもしろかったけど、見てみたら何をうつしているのか、わけがわからなった。でも、みんなに言われて直すことができた
空き缶をさっとひろうことなんか自分たちにできることなんだから、CMのようにこれからはちゃんとやっていこうと思った。気持ち次第だと思った(CMを見た他のクラスの子どもの感想)
先生の道具箱 実践事例集