今回はインターネットのデザインにおけるポイントについて話を進めましょう。技術が出現してから数年、関東地域ではすでに67.4%もの世帯が自宅でインターネットを利用している(インターネット白書2002より)までになりました。そうしてインターネット技術の話題から、メディア論というか、インターネットそのものが持つ価値がまとまってきたような気がします。インターネットがメディアとして確立したことにより、情報があまねく行きわたり、誰もが情報発信者になれるようになった今、Webの特性を考えたデザインとは何かを再考する必要があるかと思います。
ウェブってわかりづらいメディア
電子化されると紙はなくなると言われながら全然減っていません。その大きな理由にはペラペラとめくれる閲覧性の良さや、なんの機械も必要なく見ることができる特質があるからです。それらの利便性よりも優れた、あるいは異なる内容、つまりパソコンの電源を入れさせ、次のページへクリックしてもらう必然性を持った内容を入れ込むことが大切です。ですから見てくれる相手を十分に想定して「カユイトコに手が届く」デザインを考えましょう。写真やイラストで説明できることを念頭において、文字は極力少なくし、初めて訪れた人が戸惑うような配置をしないように、そしてなによりも訪れた人に「どうして?わからない!」といったストレスを絶対に与えてはなりません。ぜひ公開する前に「辛口」の友人に使ってみてもらって下さい。できればインターネットを習いたてという友人がいいでしょう。
同じ話題なら統一されたデザイン、違う話題ならイメージチェンジ
話題の仕訳を一つの部屋に例えてみましょう。そこの絨毯から家具まで一連の統一を求めるのが常識ですね。でも違う話題に移ったときは違う部屋のようなものですね。そして違う部屋は違うデザインが分かりやすいのです。そして次の部屋に行く扉のデザインも重要です。初めて訪問した家である部屋から隣りの部屋に行ったとき、そこにはまた違う扉があって、そこからも元に戻れるとしたらどうですか?ややっこしい設えになっているって感じますよね。つまり行くのも戻るのも同じ扉がベストなのです。
ドアノブや入口のデザイン
現実の世界で「ドアノブ」の取っ手が水平になっているならそれを垂直にすればドアが開く。丸いドアノブなら廻せば開くことを連想しますね。それを「アフォーダンス」(造語:アフォードするの意)ともいう専門家もいます。つまりそれを認識すると何かの動作を連想させるデザインです。パソコンは使いにくいといいましたが、違う言い方をすればまだまだそういった分かりやすいデザインがされていないのです。
分かりやすいアイコンをデザインしよう
そこで認識を助けるのがアイコンというシンボルマークです。これらの情報の認識を促すデザインのことを「ノンバーバル・コミュニケーション」ともいいます。言葉ではなくイメージで理解させる手法です。それは「だれでも」「ニュートラルで」「シンプルに」ということを満足させた「形」が必要です。これは難しいですね、でもいつかは同じコトとかトピックは見慣れてくるとだれでも認識するようになるのです、そう非常口シンボルのように。 |
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イメージマップかメタファーか?
これはナビゲーションのデザイン手法のことです。話題に関係する統一したイメージをバックに使うことで訪れた人をナビゲーション(案内)する方法とメタファー(隠喩)でナビゲーションする方法です、例えばシステム手帳のようなページデザインで話題のトピックをナビゲーションする方法です。 |
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〈イメージマップ〉 |
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〈メタファー〉 |
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イメージにより誘導する |
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メタファ(この場合は手帳)により誘導する |
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欲しい情報にたどりつきやすく
話題をカテゴリーごとに仕訳する方法もあります。もしくは時系列でタテ型巻物のようにダーっと羅列する方法もあります。どちらがいいかはデザインです。訪れた相手にふさわしい構成にしましょう。でも大切なのは訪れた人がすぐにたどり着けることが重要です。なるべく浅い階層を心がけるのが肝心です。 |
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