デジタル表現研究会
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第3回 ポスターを作ろう   1 2
解像度って何?

まさにこれがデジタルになったおかげで出来た新しい法則、というかキマリです。大判プリンタの出力は200pixel/inchの画像でいい!ということにしましょう。200pixel/inchとは1インチの中に200個の色のタイル(ピクセル)があることなのです。ここでは、あまり難しいことには触れません。ためしに、デジカメで撮ったデータをPhotoshopで開けてみましょう。イメージのメニューの下に「画像解像度」があります。これがとても大切。入力ボックスの下に「ドキュメントのサイズ」がありますね。その解像度のところは普通「72」pixel/inchだと思いますが、それを200pixel/inchに変更します(このとき「画像の再サンプル」ボタンのチェックマークを外して下さい)。そうすると上のドキュメントのサイズが決まります。これがこのデータの使える大きさです。もしかすると、みなさんのデジカメデータでは使いたいサイズより小さいかもしれません。これは使えなくはないけど輪郭が少しボケますよ、ということです。そんなときには(拡大するとき)「画像の再サンプル」ボタンのチェックマークを入れて「バイキュービック法」で拡大しましょう。要はPhotoshopの中でむやみに「拡大」ツールを乱用しないことです。
だから初めから設計図を描いておこう!

デジタルってポスター用紙に勝手気ままに描くのとはチョット違います。まずPhotoshopの新規ウインドウで、A1縦なら幅59.4 cm、高さ84.2 cm、解像度200 pixel/inchの「用紙」を作りましょう。これがコツです。小さな用紙で作業をしてからプリントするとき、拡大設定すると全部がピンボケっていうことになります。

RGBとCMYKの話、文字の話

RGBとCMYKの話ははっきり言ってめんどうです。作ったデータを普通に印刷するのであれば理解する必要があります。デジタル大判プリントだけなら気にしないで下さい。というのも、プリンタ側がうまく処理してくれるのです。自然の光(RGB)と印刷(CMYK)を比較した場合、印刷(CMYK・色材)のほうが色光と色材の違いで表現できる領域がはるかに狭いのです。結果的には、鮮やかなRGBデータをしょうがないけれど印刷(CMYK)データにしないと印刷できない、といったことがあるのです。

それから文字の話。これはとぉ〜〜っても難しい、特に日本語は。一つだけコツを言っておきます。滑らかに画面で表現されているか?それを確認することです。この技術は「ラスタライズ」という技術なのですが、詳しいことは述べません。でもここで注意!コンピュータを立ち上げて勝手に表現される標準文字でいいのか?判断すべきでしょう。疑ってかかることも大切ですよ。「もっとかっこいい書体で表現したい!」と望んだ瞬間、文字の描画技術の混沌の入口に立っているのも事実でしょう。
猪股裕一 (いのまた・ゆういち)
1948年東京生まれ。日本大学物理学部応用物理学科卒。1989年、アップル・コンピューター・ジャパンの正式認定を受け、日本初のマッキントッシュのユーザーサポート組織MDN(Macintosh Designers Network)を創立。同年、世界初のデザイナーのためのマッキントッシュマガジン『MdNマガジン』創刊する。日本グラフィックデザイナー協会会員。ジャパン・パブリッシング・コンソーシアム理事長
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