4年ほど前のことですが、総合のことで教育センターの先生に相談に行ったとき、情報教育にまったく関心のない友だちがついてきて、「情報って『情』という字がつくけれど、知識を伝えるものなのにどうして『情』がつくのですか」と質問しました。確かその答えが、「まさに情感、気持ち、感情、思いを報告するから情報っていう」というものだったと思います。そんなことを考えたこともなかった情報教育初心者の私には、衝撃的な質問と答えでした。
社会科や総合を中心として情報教育に取り組んでいましたが、はじめは知識の報告に近いことを子どもたちにさせていたような気がします。それが、次第に経験を重ねていくと、集めた事実からその裏にある人の思いを読み取り、自分の考えや思いにまとめて発信することを期待するようになりました。特に最近は、インターネットや書物から学ぶとともに、地域の人にインタビューしたり、ゲストティーチャーを招いて話を聞いたりすることも少なくありません。そうして、指導者の私自身がなかなか知り得なかった知識とともに、専門家ならではのものの考え方や熱意が伝わってきて、子どもたち以上に自分自身が感動したりします。やはり、『情報』というのは情を伝えることだなあと再認識しています。そうやって、情報と言うのは、人から人へと伝わっていくんだと思っています。
私たち自身も、情報教育を行う上で人との関わりは重要です。いくつかのメーリングリストに参加していますが、活性化しているのは、管理人さんやコアメンバーが、発言した人の気持ちに寄り添うように返信するメーリングリストです。ただ情報交換だけを目的としているメーリングリストはなかなか盛り上がらず、意見が少なくなったり消えていったりする気がします。また、オフラインの活動を大事にするメーリングリストは、何回も会うので、オンラインで発信されたものでも、その人の思いが理解しやすいし、自分も受け入れてもらえるという安心感のせいか、情報交換も頻繁で濃い内容です。
プロジェクトを主催する先生があるとき、「このプロジェクトの一番の成果は、これで創られたみなさんのネットワークです」とおっしゃったことも納得がいきます。そして私たちは、住んでいる地域も違い、学年や、あるときは校種、職種も違う中で、視野を広め、より深い考えを構築していくことができるのですね。
そう考えると情報教育のキーは『友だちの輪』かもしれません。
次は、ゴミリスという環境教育では有名なソフトの開発者の村松さんです。村松さんと出会ったのも、情報教育のプロジェクトでした。飲んだ時は仮面ライダーワールドで、必ず変身ポーズやひょえひょえという悪役を拝見します。ゴミリスやロボコンなどの楽しいアイデアや熱意は、子ども心が大事なんだとわかりました。
2002年5月9日 |