私は現在TT教員として3年生から6年生に情報教育を指導しています。この仕事も今年で5年目になりました。よく同僚の先生から「同じことばかり教えていると担任に戻りたくならない?」と聞かれます。でも情報教育の世界って機器の進歩がとてもはやいので、昨年できなかった実践が今年は可能になったなんてことが当たり前のように起こります。だからいつも新鮮な気持ちでいられるんですよね。他教科でも年々教え方に変化はあると思いますが、情報教育ほどではないでしょう。
私が今の学校に着任した7年前と今のメディア環境を比較してみると雲泥の差があります。7年前にはコンピュータ室には7台のマシンしかありませんでした。それもOSはWindows3.1。インターネットはまだできなかったですね。それでも当時担任をしていた3年生をウィスキー工場へ社会見学に連れて行って、マルチメディアソフトを使ってまとめさせるような授業はしていました。プレゼンテーションはデスクトップパソコンをテレビにつないでさせていました。今と違ってその頃のマシンはとってもロースペックだったので、何をするにもすべてやりにくかったです。
次の年に職員室マシンだけがインターネット接続できるようになりました。このインターネットについても大変印象的な出来事があります。ある日、子どもたちと太平洋戦争中に沈没した沖縄の学童疎開船「対馬丸」のアニメ映画を見たんです。見終わった後、ある子どもがポツリと「この船、今、海の底でどうなってるかなぁ?」とつぶやきました。じゃインターネットで調べてみようということになり、数人の子どもと共に職員室へ戻ってYAHOOで検索してみました。すると海洋科学技術センターが対馬丸の海底調査結果を公表しているホームページを見つけました。そこでは海に沈んでいる対馬丸の画像を見ることができました。さっそくその画像をプリントアウトして教室に持って帰り、クラスみんなで見ました。この間わずか10分足らず。アニメーションだけではなく海に沈む対馬丸の実際の姿も見ることができて、子どもたちは平和への思いをさらに強く持ったようです。とても感慨深げな表情をしていました。この時に教育現場でインターネットを活用するメリットをすごく感じました。
それから月日は流れて、学校現場のメディア環境はどんどんよくなってきました。今年学校に入ったマシンはWindowsXP。コンピュータ室の環境がよくなるにつれて、「先生、こんなことしたいんだけどコンピュータでできる?」なんて聞いてくる子が増えてきたように思います。子どもたちって「表現したい!」という思いを持っているんですね。その子どもたちの思いにこたえられるように、これからもいろんな実践の可能性を追求していきたいと思っています。
次は神奈川大学附属中・高等学校の小林道夫先生にバトンタッチします。昨年アメリカのNECCという情報教育のカンファレンスでプレゼンする機会がありシカゴに行ったのですが、その際小林先生が金沢大学の中川一史先生と共に同行してくださいました。オフの時間のお二人の会話はまるでボケツッコミ漫才!?のようで、とっても楽しい旅になりました。では小林先生、よろしくお願いします!
2002年7月10日 |