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ネットデイ
レポート1
つながりをつくる「ネットデイ」
 佐藤幸江
(神奈川県 横浜市立大口台小学校)
ネットデイというキーワードを聞くと、私の実践の原点のように感じてしまいます。機材も予算も人材もない公立の小学校が、今のようにインターネットを「教室」からでも「廊下」からでも「図書室や視聴覚室」からでも、使いたいと思ったときに自由にじゃぶじゃぶ使えるような環境を整えることができたのは、この「ネットデイ」のおかげに他ならないからです。

○たくさんのコンピュータをつなぎたい!!=ネットデイ98 in 大口台小=
第1回目の「ネットデイin大口台」は、当時大口台小学校が参加していたメディアキッズに書き込みをしたいと、視聴覚室にある1台のコンピュータに子どもたちが群がっている状況を見て、ぜひこの子どもたちに自由にインターネットを使わせたいという思いを教師が持ち、いろいろな方面にお願いしたことが始まりでした。

1998年4月のある晴れた日、「ネットデイ98 in大口台小」に8人の有志が集まってくださいました。今思うと、懐かしいお名前ばかりですが、慶応義塾大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)で講義を受け持っておられた新谷先生、その授業を手伝っていた学生さんたち、そして中川先生と佐藤です。

このネットディでは、視聴覚室から4階の各教室(5、6年生と児童会室)まで、ローカルエリアネットワーク(LAN、イーサネット)のケーブルをひっぱり、そこからさらに各教室内の複数台のパソコンからメディアキッズにアクセスできるように分岐(ハブという機器を介して)していくという作業内容を予定していたのですが、結果的には、予想以上に大がかりなものになってしまいました。

つまり、視聴覚室から4階の各教室に6本のケーブルが出ていくことになるわけですが、これを廊下伝いにどうやって各教室までひっぱるかが、大問題になったのです。話し合いの末、空洞になっている廊下天井裏にケーブルを這わせ、各教室前でそれぞれのケーブルを分岐することになりました。けれども、今度は天井のノッチのついている個所から個所までの間隔が10メートル以上あり、どのようにケーブルを這わせるかの方法を巡って論議が分かれました。

最初は工事に使う棒やソフトボールにケーブルの先をガムテープでつけて投げて届かせるという、思わず「本当にやるんですか?」と言いたくなるような素朴な方法でやりましたがうまくいかず、結局私が探し出してきたアサガオ栽培用の支柱を利用することになりました。これをガムテープで何本もつなぐことにより、適度なしなやかさとつっぱりが得られたわけです。

苦労の末、各教室に這わせた後は、教室内の各パソコンまでケーブルを引っぱることと、パソコン内のソフトウエアの調整です。各教室には8つの口(ポート)のあるの分岐機(ハブ)を1台置いたので、パソコンは最大7台までつなげることが可能となりました。大口台小学校は、中古のマシンが多く、この調整にも思わぬ時間がかかりました。担当の教師だけでは、とても手も足も出ない仕事でした。

午前中にはじまった作業は、夜の8時半にようやく終了しました。その後、5年1組の教室では、メディアキッズの会議室にメールを送るのに、この時敷設した校内ネットワークが大活躍でした。
 

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