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ドイツのマーケティングを支えるadidasやBOSCHなどのコーポレート&イベントデザインを手掛ける「Milla & Partner」のサイト。緑色の砂漠のような、しかしどこか湿度を感じさせる不思議な空気を漂わせた世界。PROJEKTEという文字をクリックすると、サボテンのような植物が地面から生えてくる。ここでは「Milla & Partner」が関わってきたデザインの数々を見ることができる。また別のメニューに移ると空からテレビが糸でぶら下がってきたり、得体の知れない植物がぽろぽろと丸い胞子をまき散らしたり、どの情景も幻想的で美しい。説明など何もない。マウスを動かしているうちに、この独特な世界のナビゲーションに自分が馴染んでいくのがわかる。とことん「らしさ」にこだわり、それを大切にすることで、自分達が提供するデザインの質を最大限にプレゼンしているのだ。伝えたいモノを「いちばん魅力的に伝える術」を心得ている、強かなサイトである。 |
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ここ数年、英国のクリエイティブ産業はめざましく発展していると言われている。昨年になるが、12月に東京国際フォーラムで開催された「英国デザインの現在」展を見に行った。インテリア、建築、映像&グラフィックをはじめ都市デザインの一環としてのトランスポート・デザインに至るあらゆる分野のデザインが紹介されており、なかなか興味深いものがあった。そこで今日はロンドンにある「デザインミュージアム」をご紹介したい。ちょうど今、2002年度に最も活躍したデザイナーを選ぶ「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」の候補者がノミネートされており、その中にはAppleのジョナサン・アイブの顔も見える。6月までネットから投票することもできるので、あなたも一票投じてみてはいかがだろうか。 |
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さて、春風の到来とともに、この連載もこれが最終回となります。一年間おつきあい下さったみなさん、どうもありがとうございました。またいつかどこかでお会いしましょう! |
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水田明子
みずた・あきこ (株)日本電気デザインセンター(現(株)NECデザイン)でのプロダクトデザインのアシスタント時代を経て、企画デザイン会社(株)カムス・キャパにてグラフィックデザインの仕事に従事。その後アナログからデジタルへと移行する中でゲームの背景デザインや雑誌の挿し絵などを制作し、現在は(株)リコーヒューマンクリエイツにて企業におけるドキュメントデザインの標準化に携わる。 |
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