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まず目をひくのが、縦に可愛らしく並んだピクトグラムではないだろうか。ひとつひとつ丁寧にデザインされていて完成度が高く、それだけで実に気持ちが良い。これが画面を引き締め、このページを確実にチャーミングにしていることはご覧の通りだ。トップページ左側には、スポーツごとに独立したサイトが用意されている。それぞれに雰囲気が違っていて面白いので、ぜひ覗いてみて欲しい。さてさきほどのピクトグラムからPRODUCTのページに飛ぶと、ナイキの魅力的な商品が整列しており、画像の上にマウスをおくと表示されるALT属性の使い方がまたさりげなくうまい。属性にアイテムと商品名、そして価格が入れてあるため、自分がまるで実際に店舗で商品を手にとって、くっついているタグを見ているような気になるのだ。なるほど本来の目的さえ損なわないように気をつければ、ALT属性を単なる画像の代替情報に留めずともよいわけだ。属性が一方的に画像を補うのではなく、互いに補い合って相乗効果をもたらすノちょっと目から鱗モードだ。こういうちょっとしたことで、サイトを誰にとってももっとわかりやすく、もっと楽しくする余地が、まだまだたくさん残っているにちがいない。そしてもうひとつお薦めなのがATHLETEのページ。このインタビュー、入ってみるとびっくりするほどのボリュームでなかなか読み応えがある。細部まで丁寧に大事に作ろうという姿勢が心地よく伝わってくる好感のもてるサイトだ。 |
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NASA(米国航空宇宙局)のサイト。宇宙開発や地球観測、キッズ向けなど10以上もの関連サイトを抱える政府の主要サイトだ。今は、数日前の「コロンビア号」の痛ましい事故の調査・報告がアップされ、悲しみの色を漂わせている。亡くなられた宇宙飛行士の方々には、心からご冥福をお祈りしたい。さてこのサイトでは、Webのアクセシビリティということについてご覧頂こうと思う。必要以上のフレームは使わず、すべての画像には、音声ブラウザ使用時のためのALT属性がつけられている。白地にすっきりと配置された画像と視認性の高い読みやすいテキストにより、膨大な量の情報がとてもわかりやすく提供され、我々の地球についてますます興味が湧くような魅力的なサイトになっている。ブラウザを見ることができないユーザーへの配慮が、結果的に「どんな人にも見やすくわかりやすいサイト」を作っているのだ。こうしたアクセシブルなサイトが、最近急激に増えているのをご存知だろうか。実はアメリカでは、リハビリテーション法508条という法律により、連邦政府は障害者にアクセシブルでないIT機器の購入やWeb作成を許されなくなり、メーカーやWeb作成者はそのガイドに基づく開発をしなくてはならないからだ。もちろん日本も、この望ましい影響から逃れることはできない。これからWebを作られる方には、ぜひこの点をしっかり押さえた魅力的なサイトを作って頂きたい。 |
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水田明子
みずた・あきこ (株)日本電気デザインセンター(現(株)NECデザイン)でのプロダクトデザインのアシスタント時代を経て、企画デザイン会社(株)カムス・キャパにてグラフィックデザインの仕事に従事。その後アナログからデジタルへと移行する中でゲームの背景デザインや雑誌の挿し絵などを制作し、現在は(株)リコーヒューマンクリエイツにて企業におけるドキュメントデザインの標準化に携わる。 |
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