連日の猛暑の中、そんな天候をも上回るような熱気が会場内に溢れている。D-projectのワークショップ会場には、早くから受講生が訪れ、一様に緊張した面持ち。そんな雰囲気を和ませるように、D-projectの統括役である中川一史先生が、コンピュータやインターネットを活用した授業と、情報教育の現在の動きについて笑顔で話しはじめた。
「みなさんこんにちは! 後ろの方、見えますか(笑)? さて、みなさんの学校、地域でも、インターネットの回線がだんだん速くアクセスできたり、パソコンの台数が増えたり、デジタルカメラなどの周辺機器が増えていったりしていると思います」。
「特に公立の学校においては、全国のいろいろな都道府県で、去年の暮れあたりから今年にかけて、予算がいっぱい付きはじめています。ですから、今もしみなさんの学校や地域で、まだパソコンなどが不足しているというところも、間違いなく来年か再来年には、予算化が図られ、どんどん機材が導入されていくと思います」。
そして中川先生は、インターネットやコンピュータがいくら完備されていても、そこで使える良質なソフトや素材、教材がないと、何も始まらないと強調。今回、D-projectでこのワークショップを主催した理由もそこにあると説明し、「まさに今日の授業演習で用いられるPhotoshop Elements、GoLive、LiveMotionといったこの辺のソフトが、小学校から高等学校まで、いろいろな場面で使える良いソフトではないのか、授業向きではないのかと思います」と語った。
つづいて会場内のモニタスクリーンを使い、さまざまな教科でコンピュータに関しての活用場面が増えていることを図示。情報教育という言葉の意味を「情報を上手に扱いながら、問題解決ができること」と語り、そんな情報教育で狙うポイントを、「情報活用の実践力」「情報の科学的理解」「情報社会に参画する態度」の3つだと説明した。
「そのなかでも特に情報活用の実践力とは、課題を掴んで、調べて、まとめて、伝えあう力。そうしますとこれは、国語でも関係あることですよね。だから小学校でも中学校でも高校でも、そしてどんな教科であろうとも、この力は必要なものなのです」。 |