デジタル表現研究会
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著作権ワンポイントアドバイス
デジタルカメラというと、少し前まではレンズ交換式一眼レフカメラと値段が変わらず、画質も決して良いとは言えませんでしたが、最近は画質の向上と低価格化により、広く一般に普及してきました。今までは使い捨てカメラなどを使っていたが、これからはデジカメを使ってみようという方に、デジカメのテクニックを解説していきます。およそ全20回の連載を考えていますが、これを読み終えたとき、デジカメがみなさんの生活の一部になり、撮った写真をパソコンで加工したり、お友達にメールなどで送って楽しめるようになれば幸いです。
村上 拓
石川県 金沢大学教育学部 内留生
 
【第13回】 撮影編(13)「手前から背景までぼかさずにはっきり写る写真の撮り方」
ここでは、ぼかさずに手前から奥までピントが合っているように見える写真の撮り方を紹介します。ポートレートや花の写真などは、奥をぼかして被写体が浮き上がるように撮った方が雰囲気が出るといいましたが、記念写真などは、奥がぼけるとどこに行った時の写真かわかりません。次の3つは全体をぼかさない方が良いと思われるシーンです。

(1) 修学旅行などで名所を背景に、たくさんの人数が前後に集まった集合写真
(2) 綺麗な風景の前で撮る記念撮影
(3) 奥行きがしっかりと写るように意図した写真
【写真1】 【写真2】
(3) のサンプル写真として(写真1・写真2)を紹介します。これら2つの写真は、ぼかさない方が奥行きが出ています。この写真がうまい下手は別として奥行きを出したいという意図が伝わってきます。

ぼかさないで撮るテクニック
(1) できるだけ広角で撮ること
(2) 人物をとる場合には、全身が写るくらい離れる
(3) カメラのマニュアルモードが設定できれば、絞り優先モード「A」に合わせ てできるだけ絞ること。(Fの数字を大きくする)
ピントはどこに合わせるかというと人物などのように、しっかりと題材がある場合にはそれ(被写体)から少し離れてピントを合わせれば、ほぼピントが合います。

では(写真1・写真2)のように、人物などが入っていない純粋な風景写真ではピントはどこに合わせればよいでしょう。第7回の被写界深度の説明の中で、手前は3分の1、奥は3分の2であると言いましたが、その特性をそのまま使いましょう。つまり奥まで10kmくらいあるとすれば、3km地点くらいでピントを合わせればよいということです。
ワンポイント

風景写真のピントを合わせる場合、奥まで10kmくらいとか、3km地点とかを目測することは、たいへん難しいことだと思います。それで写真2を例にとると、いちばん遠い部分(線路がいちばん遠くに見える部分)を画面最上部に入れます。そのときの画面中央部の少し上にピントを合わせ、フォーカスロックしたあとに好きな構図に変えて撮影してください。

手前から3分の1なのになぜ画面中心から下ではなくて上なのかは、実際の距離とレンズが撮している距離とは誤差があります。とくに広角側にしている場合、手前のものは大きく誇張されていますので、画面内の面積を大きく取ります。ですから、画面の真ん中よりちょっと上が実際の距離の3分の1にあたることを覚えておいてください。
 
奥をぼかして被写体を浮かび上がらせる撮し方(第12回)と、手前から奥まではっきりと撮す方法(第13回)を紹介しましたが、撮すときに、どちらの方法で撮れば雰囲気が出るかを考えて撮って下さい。ポートレートや花などは前者の方法で、道や線路、純粋風景などは後者の方が一般的です。しかしこれも目安なので、その時々でどの撮り方が雰囲気が出るか考えながら何枚も撮ってみてください。その中にとてもお気に入りの写真があるかもしれません。
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