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教科 「情報」 の授業風景。ムソルグスキーの『展覧会の絵』を聴いたのち、生徒たちはひとり一台用意されたパソコンを使い、自由に絵を描きはじめた |
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なるほど、コンピュータという道具で、音楽と絵をくっつけてしまおうということですね。すると「情報」の授業といっても、それは単にコンピュータの技術的な習得が目的ではなく、むしろもっと深い、感性や情操の部分に関わっている授業ということでしょうか? |
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田邊:そうです。表現というのはデジタルな表現もあればアナログな表現もありますよね。コンピュータが得意とするのはデジタルな表現。そのデジタル表現というのは、ここ数年の間に非常に身近なものになってきていますが、ではデジタル表現のメリットとはどんなものなのか。
それを子どもたちに体感させながら、自分というものを他の人に知ってもらうためには、どう使っていったらいいのだろうということを知らせたいのです。
そして子どもたちの多様性を考えると、音楽という表現でそれを行う子もいれば、絵画という世界で試す子もいる。あるいはプレゼンテーションを行うために、デジタル表現のさまざまなテクニックを使っていくという子もいるでしょう。子どもによっていろいろだと思うのです。
ですから彼らに対して“こんなこともできるんだよ”と紹介していくことが、現在の「情報」の授業のひとつの大きな役割だと思っています。 |
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お話をうかがっていると、自分を表現するという点が、かなり重要なポイントのように思えます。「情報」の現場に立つ田邊先生の目から見て、情報教育とはどのようなものだと感じていらっしゃいますか? |
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情報教育担当 田邊則彦先生
(たなべ・のりひこ) |
田邊:1992年にこの学校はスタートしたのですが、実はそのときに、情報に関わる授業の名称をどうしようかと検討したことがあります。そして話し合いの中から、コンピュータ、情報処理、情報科学、情報という4つの選択肢が出てきました。
で、まずコンピュータを教えるのは情報の授業ではないと、次に情報処理も過去の経緯からして違う、つまり情報を処理するのが目的ではない。では情報の科学ですが、情報をサイエンスのところまで子どもたちを導いていくには、その当時、カリキュラムが整っていなかった。
というところから「情報」という科目の名前にして、情報をいろいろな形で、いろいろな角度から扱っていける教科に位置づけておいて、そこで模索しながら情報教育の中で何を目指していくのか。どういった手順で、子どもたちに力をつけさせていけばいいのかということを、研究させてほしいというところからスタートしたんです。
現在、コンピュータを扱うコンピュータリテラシーは当然やっています。それからネットワークを使う際の約束事であるネットワークリテラシー。データって何なのかなといったデータリテラシー。そしてメディアの特徴をきちんと考えて、そのメディアに対してどういう風につきあっていかなければいけないかという、メディアリテラシーもやっています。
そこで培った力をいろいろな所で使ってごらんなさい、というところで、我々の情報教育はひとつのまとまりを示していると思っています。 |