能勢:人のものを持ってきてはいけないという考えは、これまで、ただ何となく漠然とした感覚としてありましたよね。そして物を真似しちゃいけない、でも人が見てなかったらいいじゃないか、といった風潮も。
でもそういった部分に関して法律もあるし、そもそも集団で生きる時にはルールがあるよね、ということなんです。それにインターネットなどの普及によって、ホームページを作り、また画像なども利用して貼ったりと、我々一般の人間も現在、作る立場と利用される立場の両方を体験しています。
ということは、これまでの時代なら、著作権の侵害ということにほとんど関わりがなかった一般の人間も、これからは加害者にも被害者にも両方なる可能性がある。
その時に自分は権利を持っているし、逆に誰かから権利を行使されることもあるということを、子どもたちには今からきちんと教えておかないといけないと思うのです。
実際の話、著作権の許諾申請を取るのは大変な話が多い。それを苦労して許可してもらうということは、つまり著作権を持っている相手も、苦労して物を作ったということ。著作権という話から、そういった物を作ることの大変さや、相手への敬意も学んでいって欲しいと思っています。 |