新学習指導要領によると、中学では技術・家庭科の一領域で、高校の普通科に至っては「情報」という教科が必修になる。総合的な学習がスタートしたことも手伝ってコンピュータ・インターネットの学校現場での活用は、ようやく盛り上がりを見せてくるだろう。しかし、小学校ではコンピュータを使わなければならない必修の教科もなく、学校や教師の関心にまかされている格好だ。毎日の授業で忙しい(実際に教師は授業以外にもやるべきことが山ほどあるのは事実だ)のに、そんな新しいことに手を出す必要があるのか?と言われてしまうと、なかなか勧める方も反論ができにくい。
そんな中、小学校でコンピュータを利用することになるキーの教科はやはり図工(図画工作科)だと思う。図画工作科は大きく分けて、「表現(楽しい造形活動、絵や立体、つくりたいもの、工作に表す)」「鑑賞」という領域に分かれている。新学習指導要領の図工の領域ではコンピュータという言葉は出てこないが、新年度から使われる教科書には、「表現」「鑑賞」の両領域でコンピュータを活用した実践例が紹介されるようになってきている。
とはいうものの、先に述べたように学校全体では、デジタルカメラをはじめとしてメディア機器はどんどん使われている傾向にある。しかし、小学校の教科で言うと、社会科の調べ学習や総合の活動場面での活用が多い。新しい教科書にも、コンピュータの活用にからむような題材がちらちら出てきているが、図工の研究会の出席者からはまだまだ批判的な声を聞くことがある。
それはなぜなのか?理由は以下の2つに集約する。 |