5年生の夏休み明け、最初の授業で「夏休みのできごと1分スピーチ」を行うことにしました。5年生になって4ヶ月、まとまった話をすることが苦手な子どもが多いことが気がかりになっていた時期でした。
さっそく「明日、夏休みのできごとを1分間で話してもらうよ。」と宣言すると「え〜、いやだなあ。」との声。でも、「優秀者には、ごほうびあげようかなぁ〜」の一言で一転してやる気になった子どもたちです。単純でかわいいと思いつつ、当日を迎えました。
黒板には発表順にネーム磁石をはって、いよいよスピーチ開始。一人の発表が終わると、数名がコメントを言い、スピーチにかかった時間の発表です。1分に近いタイムが出ると「おお、すごい!」との声があがります。そして、黒板のネーム磁石の隣にはタイムが記入されます。はじめはあまり乗り気でなかった子どもたちも、いつの間にか夢中でスピーチに聞き入っていました。自分のスピーチの順番が近づくと「ドキドキするなあ」との声も聞かれ、緊張感の中でスピーチは進んでいきました。
こうして、緊張しながらも楽しく初めてのスピーチ体験をしたのでした。ごほうびの「宿題なし」の権利を得た子どもたちは大喜びだったことは言うまでもありません。スピーチということに興味を示し始めて第1回目を終えました。
その後は、日直がスピーチを行うことが毎朝の日課となっていきました。時間はおよそ1分ということで、時間よりはむしろ内容やスピーチの仕方についてコメントを出し合いながら進めていきました。
また、「私の家族紹介」「私の宝物」といったテーマを決めたスピーチも取り入れながら進め、少しずつではありましたが、ある程度まとまったことを話すことができるようになっていきました。しかし、どうしてもマンネリ化してしまい、刺激がほしい時期を迎えました。 |