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キーワードで読む情報教育 5
インタビュー
中川一史のキーワードへの道案内
総合的な学習では、いろいろな内容で調べる活動がからんでいる。その中でも、子どもたちが足でかせぐインタビューはどの学年でも一度は体験する機会があるのではないだろうか?

では、教師がさまざまなサポートやアドバイスをするときに、どのような観点に留意すれば良いのだろうか?
何をインタビューしたいのか?=内容
当然のことながら、「まずははじめに内容ありき」である。インタビューすることが最初にあるのではない。どんなことが知りたいのか?調べたいのか?さらには本当に聞く必要があるのか?他の資料で十分ではないのか?学年に応じて個々の子どもに応じて、教師は対応する必要がある。

誰に聞けば良いのか?=対象
活動によっては、はじめに聞く対象が限定される場合もある。しかし、それがフリーの時には、その子の聞きたいことがどこに行って、どういう人に聞けば良いのか、考えさせる必要がある。例えば、学校自慢を探して発表する活動では、校内の先生なら誰に聞いても良いというわけではないはずだ。みつけた自慢のものが作られた時にいらっしゃった先生がいないかどうか、そのようなしぼりこみを経験させたい。

どうやって聞きだすか?=聞き方のスキル
漫然と「校長室の前にある〜について教えてください」と言われても、相手が困ることも最初のうちは経験させたい。特に、地域など学校外にインタビューに出かけるときは、どう聞けば相手がわかってくれるか、答えやすいかが決め手となるので、これもうまく失敗の場面をつかまえて子どもたちに考えされる機会をもちたい。

どうやってまとめるか?=記録のスキル
せっかくいろいろと答えてくれたのに、ちゃんとメモをとらずに後で忘れしまう、というのもありがちなことだ。段階や学年に応じて、はじめは項目が載っているカードに記入させる手もあるし、要点のまとめ方や記録メディアなどの活用を鍛える場面が必要なはずだ。しかし、これも鍛え場面ありき、ではない。うまく活動に埋め込まれるような「しかけ」が必要だ。

聞き方はよいか?=マナー
学校外に出ると特に必要になってくるのがこのマナーだ。商店街であまりにもマナーが悪く、学校に文句が来る、ということも良く聞く。本来はそのようなことも学びの大事な1つなのだが、それには相手の方と学校(教師)の信頼関係、共通理解が必要だ。いずれにしても、「氏名・学校、目的、何に使うか?」がその子なりにその学年のレベルなりに言えることをだんだん意識させることはどこかで必要だろう。また、マナーというと、インタビューをするときだけのように思いがちだが、「相手にできあがりを報告する」こともマナーの1つだと私は思う。

もちろん、これまで書いてきたことは学年にも経験の度合いにもよるだろう。しかし、1年間の中で、さらには学年があがるにつれてのレベルアップとして、インタビューする力の育ちをどのように位置づけるのか、ぜひ考えてみていただきたい。
中川一史(なかがわひとし)金沢大学教育学部教育実践総合センター助教授
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