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キーワードで読む情報教育 5
インタビュー
レポート1
インタビューで、私だけの情報をゲット
白江 勉
(富山県 砺波市立出町小学校)
教科の学習においても、総合的な学習においてもインタビューを学習活動として行うことはよくあります。何と言っても、直接出会って話を聞くという点が大きな魅力です。

出町小6年1組の子どもたちは、総合的な学習で、卒業生17名の素晴らしさを在校生や地域のみなさんに情報発信して目標にしてほしいと願っていました。学校へ来てもらって15分程度の話を17名全員から聞きましたが、まだ十分ではありません。

そこで、プレゼンを作って全校児童の前で発表したいと考えたMさんとYさんは、17名の一人であるAさん宅を訪問してくわしく話を聞いたりその様子をデジカメで撮影したりしたいと考えました。Aさんは、家業の餅屋の後も継ぎながら設計士の仕事をしたり、「散居村」を守る活動を行ったりしていらっしゃる忙しい方です。二人は相談して、休み時間に学校の公衆電話からAさんに連絡を取り、こちらの目的を伝えました。放課後に来てもよいという許可を得た二人は、帰り道にAさん宅2階の建築事務所を訪問しました。どきどきしながら2階へ上がると、Aさんは笑顔で迎えてくれました。そして、家などを設計する楽しさや難しさについて語ってくださいました。また、今までの作品を紹介してくださいました。さっそくデジカメでその作品の中から何枚か撮影しました。建築についての情報をたくさんゲットできた二人は、今度は餅屋の仕事についての話も聞こうとしました。すると、Aさんは「もしよかったら、都合のよい日の朝に1階の餅屋に来れば、その様子がよく分かると思うよ。」とアドバイスをくださいました。建築の話をくわしく聞けたり、デジカメで作品を撮影できたりしたことに満足していた二人は、「では、明後日の朝、7時に来てもいいですか。」と言って許可をもらいました。

翌日登校した二人は、うれしそうにそのことを担任である私に話してくれました。少ない人数で訪問して他の友だちが知らない情報を手に入れることは大きな魅力のようです。今度、早朝に餅屋へ行くことも楽しみにしていました。インタビューの楽しさやよさを実感できたのです。

翌日、近くの駅を待ち合わせ場所にして二人は餅屋さんにい行きました。「おはようございます。」とあいさつをして店に入った二人は、Aさんにあいさつをして、まずは餅を作っている様子をデジカメで撮影し始めました。仕事の迷惑にならないような場所から静かに撮影していました。仕事場のピリッとした緊張感を肌で感じ取っているようでした。

仕事が一段落したところで、働く時間帯や作る餅の数、苦労、やりがいなどについてインタビューし、メモを取っていました。作りたての餅までもらい、満面の笑顔を浮かべる二人でした。
このように、自分からアポイントメントを取って、指定された時間に訪問してインタビューをすることは、「私だけが知っている情報」「ふれあいの中で得た情報」という点で、子どもの学習意欲を高めます。自分の足で稼いだ情報は、子どもに大きな自信を与え、その後の活動(情報発信など)も活性化させるのです。「私だけの…」というように子どもの心をくすぐることが、インタビューのポイントの一つではないでしょうか。
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