高学年の情報活用の実践力の一つとして、メディアには短所と長所があることに気づいたり、適切なメディアを選択して情報発信したり、複数のメディアから選択して交流する力などが必要とされています。
そこで、環境を中心とした交流学習の中で、メディアを選択して発信する力を育てる取り組みを行いました。そのためには、「直接交流を鍛える」「多様なメディアを体験させる」「メディアの特性を意識させる」の3点が重要ではないかと考え、直接交流でのコミュニケーションの基本を大事にし、3点に配慮しながらメディアを通しての交流をすることで、情報活用の実践力の高まりを追究することにしました。
1学期は、30秒スピーチや、体育館での音読大会、学級会での討論など、音声言語を鍛えることをしました。また、ワークショップや発表会など直接交流の機会を設け、ふりかえりをしながら進めていきました。また、教科や総合の中で、メディアを利用した発信や交流の経験も何回も行いました。
2学期には、いよいよメディアの特性を意識した交流をさせたいと考えました。1学期のうちから、ちょっと離れた高校の化学の先生に、クラスのアドバイザーとなって頂き、交流のきっかけを作っておきました。そして、高校の大気の課題研究グループから、小学校に大気実験の依頼がきました。高校生にはわざと支援をしないで、質問が出るように簡単なメールでの依頼になるようしくみました。小学校の子どもたちは、実験場所や実験方法や器具など、質問したいことがたくさんありました。そこで、クラス全体でどの手段を使ってたずねるかを相談しました。高校のお兄さんたちの実験協力に失敗があってはならないと話し合いは真剣でした。電話では、一人しか聞けない。チャットでは、実験場所や方法など図で表せない。FAXが図にかけるのでわかりやすいのではと決まりかけましたが、聞き返したい時に時間がかかると言う理由で、結局はTV会議に落ち着きました。
校種が違うため相手を意識できること、実験に関する交流のため、必然的に画像利用の視点で特性を意識できると考えていました。また、はじめにクラス全体で、交流のためのメディアを選択したので、その後の追究活動では、各グループごとにメディアの特性を意識しながら選択していたようでした。 |