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キーワードで読む情報教育 15
ビギナー教師
中川一史のキーワードへの道案内
自分はパソコンやインターネットにあまり詳しくないのに、授業ではそのクラスの子どもたちがばりばり活用している、なんていう先生が校内にいないだろうか?いったいどのようにパソコンが得意でない難問をクリアしているのだろう?ここには「パソコン主任、情報担当の教師が校内にどうやって広めていくか」のヒントも隠されているような気がする。

パターン1:人を頼る
1:とにかく校内のくわしい先生頼り
パソコン関係はとにかく取り扱い説明書を読もうなんて思わないことだ。だいぶ使えるようになった人が読んでもわからない場合が多い。一番頼りになるのは、なんといっても「知っている人に聞く」ということだろう。特に、校内に頼りになる人がいる場合は、これにまさるものはないかもしれない。しかし、相手も担任をもっていたり暇ではない。助けてもらうタイミングもはからなければならない。前もって「次の時間にクラスでパソコン使うから、うまくいかないときは頼むね〜」と一言入れておくだけでだいぶちがう。もっとも、パソコンに詳しい人が頼みやすい人なのかどうかにもよるけれど。

2:学校外のボランティア等に応援依頼
常時ではなく、大々的に発表会等でパソコンやインターネットを使うので、この授業だけはトラブルが起こると困る、とか、インターネットにつながらなくなってしまって学校に頼める同僚がいない場合には、学校外の応援部隊を確保しているかどうかが大きい。出入りの業者の場合もあるし、学生などのボランティアの場合もあるだろう。また、総合的な学習がらみで、地域の人や保護者等とのつながりをパソコンサポーターということでお願いしている学校も増えてきているようだ。いずれにしても、校内の先生は忙しい。このような外部の人材をうまく確保したいものだ。

パターン2:簡単なところからアプローチする

3:簡単なソフトを極める
パソコンを授業で使うと言っても、次から次へと「すごい」ソフトをばりばり使わなければいけないわけじゃない。実は、質の良いソフトを1、2種類でもさまざまな授業場面で有効に活用することは十分できるのだ。たとえば、お絵かきソフトは図工でも使えるし、社会の発表等にも使える。また、デジタルカメラで撮った画像を加工するのにもそれを使う…といった具合だ。これなら、1つのソフトの使い方をある程度知って(本当に「ある程度」で十分だ)いると、応用ができ、新たに時間をさいてソフトの使い方にあくせくすることもない。余裕ができたところで、次のソフトに挑戦してゆけば良いわけだ。

4:デジタルカメラから攻める
パソコンやインターネットと書いたが、何もパソコンからスタートするだけがすべてじゃない。もっとお手軽なデジタルカメラをとっかかりにする手もあるだろう。今は、安価でお手軽ということで、複数台購入する学校が増えてきた。使い方は普通のカメラとほとんど同じだ。その上、撮ってすぐ見ることができるし、教室のテレビでクラス全員に見せることもできる。小学校2年生の学区探検で使う学校が増えてきたのもうなづける。

撮った画像を保存したいとか、印刷したいとか、ちょっとコメントをつけたいとなったら、パソコンの出番だ。ここではじめてパソコンの使い方に入ると、デジタルカメラを生かしたいということで、切実感も生まれるので一石二鳥だ。

パターン3:共同・合同に参加する

5:合同授業にうまくのっかる
自分があまりパソコンのことを知らなくても、それをTT(ティームティーチング)や学年合同の授業で行うことによって技術的な面は得意なパートナーの教師がやってくれる、という形態もある。どの場面で有効かということについても、合同授業にのっかることで、子どもたちがどうやってパソコンとかかわっていくかについても、目のあたりにすることができる。こういう機会をきっかけにして今度は自分のクラスだけの授業の時に応用させよう、なんてのも良いかもしれない。

6:共同学習プロジェクトに参加してしまう
最近、インターネットを利用したさまざまな教育プロジェクトがお目見えするようになってきた。もし、そのような機会があったら、「私は使えないから、、」なんて言ってないでおもいきって参加してみるのも手だろう。参加することによって、そこのスタッフや相手校の先生にアドバイスをもらったり、サポートしてもらう機会を得られたりするからだ。もっとも、そのころには子どもたちの方がばりばりにネットワークを活用している、なんてこともありそうだが。

パターン4:子どもたちにまかせる

7:クラスの子どもたちに教えてもらう
パソコンに詳しい教師はいることにはいるのだが聞きにくい、学校外にも今のところ助けてくれそうな人は見つけきれていない、なんて時はどうすれば良いのだろうか?

いるじゃないですか!あなたの近くに先生が!

そう。クラスの子どもたちだ。子どもたちはゲーム機に慣れているので、パソコンもあっという間に使えるようになってしまう。最近は家で自分専用のパソコンを持っている子どもも増えてきた。

ここは変な威厳をちらつかせるよりも、子どもたちに教えてもらえば良いのではないだろうか?このことによって、ある子の思いもよらぬ自信に満ちた様子にでくわすこともあるかもしれない。

8:子どもたちが使うことは容認する
教えてもらおう、習おうなんて気はさらさらないけど、学校にもあるし、子どもたちも使いたがっている、、なんてことで悩んでいる方がいたら、子どもたちのパソコンとのかかわりを見守るというスタンスもアリだろう。校内で学習環境として置かれていれば、けっこう子どもたちだけで活用することになるかもしれない。このような時は、自分がパソコンなどに積極的になれきれなくても、できるだけそれをさまたげるようなことはしないでいきたいものだ。
中川一史(なかがわひとし)金沢大学教育学部教育実践総合センター助教授
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