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キーワードで読む情報教育 23
教員研修
〜校内での取り組み〜
レポート2
みんな達人になりたいっ
福田満佐子
(石川県 金沢市立長田町小学校)
福田満佐子
プロローグ「学校現場におけるパソコン事情」
「十年一昔」という言葉はこの10年間ぐらいの間にすっかり死語となり、現代社会は1年ごとに目まぐるしく変遷を遂げるようになりました。「学校現場におけるパソコン事情」も例外ではなく、つい10数年ほど前はワープロ専用機を所持する先生が数える程であったのが…。やがて職員室にある学校唯一のパソコンの前に特定の先生が座るようになり、その後瞬く間に何十台ものパソコンが導入されたり、パソコン室が設置されたり、校内LANがひかれたりと、日々刻々と状況が変化し、今ではパソコンを持たない先生の方が少数派になりつつあります。

さてそんな状況ではありますが、学校の先生方にとって、パソコンを所持しているということとパソコンを使いこなせるということは、どうやら別物であるらしく「パソコンを前に自分自身がフリーズしてしまい悲しみにくれる先生」の姿を見かけるのはそう珍しいことではありません。(かくいう私もその一人なのです…)
ともあれ、そういった状況の中での「パソコン研修」の場はまさに救いの神となっているわけです。

学校現場におけるパソコン研修事情
一口に「パソコン研修会」といっても、民間の企業が主催するものから、教育委員会等の公的機関主催のもの、そして学校内で行われるものまでと、多種多様です。パソコンを所持する先生が少数派であった頃は、外部で開催される研修会に、その特定少数の先生方が事前に申し込み研修を受けることで事足りていました。しかしながら状況が逆転した現在、外部の研修会は申し込みの段階ですでに順番待ち、といった事態が起こっています。また、教育改革が声高に叫ばれる今、現場は多忙を極め、外部の研修会に参加する時間の余裕がないといった状況も現実としてあります。

パソコンはどんどん学校に入ってくる。使わなければならない、でもうまく使えない。使い方を習いたい、でも研修会に参加できない。まさに手も足も出ず、再びフリーズしてしまう私…。この苦境のまっただ中の私を解凍してくれたのが、「校内研修会」でした。

もっとも「校内研修会」を外部に出かける時間的なゆとりがないという理由で救いの神としているのは私ぐらいかもしれません。実際には、学校現場に導入されたパソコンをリアルタイムで使いこなせるには、現場の機械を実際に使って研修するのが一番、というのが「校内研修」の最大のメリットだと考えています。

「パソコン研修」の実際
学校現場におけるパソコン事情が、日進月歩変化しているとはいえ、現実にはまだまだ学校によって導入状況に開きがあります。その状況の差がそのまま先生方のパソコン技術に反映している事実もあるようです。

この春、勤務校を異動しました。前任校では、3年前はパソコンは職員室の1台のみ、授業では、市立の教育センターから貸し出しの機器を使っていました。貸し出し期間中、先生方に「パソコンで絵を描きませんか。(私は図工専科です)」と声をかけても、なかなか「では」と言われませんでした。が、翌年パソコンが10台導入され状況は一転。毎月1回、皆で交替に講師役を務めて、基本的な操作を学び合うようになりました。さらに翌年、表計算ソフトで成績処理の方法を研修したりするようになりました。

異動先である現任校は、パソコン室が2つ、デスクトップ・ノート型あわせて42台のパソコンがあり、普通教室にも各1台ずつ、さらに職員室に2台の他に先生方が使用できるノートパソコンが15台、という環境です。昨年度の校内研修状況を担当の先生にお聞きしたところ、「ワープロ・表計算ソフトの研修、デジカメ・スキャナーの活用方法、スクールメールの活用方法、Tシャツづくり…など、いろいろやりました。」とのこと。まさに、この環境ならではの校内研修の場だなあと感嘆しました。

エピローグ
多忙を極める学校現場であるにも関わらず、先生方は「パソコン」に対して、前向きに真摯な姿勢で取り組まれています。

おしまいに、現任校のパソコンの達人(校内研修会の常任講師)の先生から伺ったお話を…。「校内の研修会ですてきだなあと思うのは、先生方の互いに教え合い伝え合う姿です。校内で実施するため、研修の最中でも他の用事が容赦なく入ってきます。そんな腰を落ち着けて研修できない状況の中、そんな中だからこそかもしれませんが意欲的に学び合っています。」

子どもたちがパソコンに向かうときの瞳の輝きはこの上なく素晴らしいものです。子どもたちに負けないよう、そしてさらに輝きを増してくれるよう、「パソコンの達人」めざして努力していきたいと考えています。
 

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