デジタル表現研究会
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商業デザインであれ芸術作品であれ、自らの意思を表現し伝えるという情報伝達の本質は変わらないと思います。そしてそのために必要なセンスや技術というのは、たくさんの優れた表現に触れ感動することにより、どんどん研ぎすまされていきます。さぁ、まずはここでご紹介するサイトを理屈抜きでいっぱい感じてみて下さい。もしかしたらあなた自身の感性が鋭く触発され、不意に新たな方向に動き出すかも!?

水田明子/デザイナー
 
9 月 の セ レ ク シ ョ ン
独特の雰囲気を持つ一枚一枚の写真が、
壁になると全く新しい魅力を放ち始める。
lomoshot.com
http://www.lomoshot.com/
ロシア製の旧式なコンパクトカメラ「LOMO」で撮った写真を「Lomograph」、それを何枚も並べてコラージュの壁にしたもの、あるいはその表現方法をLomoWall(ロモウォール)と呼び、世界中に熱狂的なファンを作っている。独特の雰囲気を持つ一枚一枚の写真が、壁になると全く新しい魅力を放ち始めるのだ。皆さんの中にも、ロモのあの優しい光に包まれたような独特の写りに惹かれているLOMOファンがいらっしゃるのではないだろうか?このサイトの「lomoWalls」では、コラージュをランダムにシャッフルしたり、キーとなる色を好みで選んだり、秒数を設定して次々切り替わる画面の変化を楽しむ事ができる。「lomoThemes」の“光”“階段”など、あるテーマをもとに撮られた作品の数々もなかなか良い。そして、自分の写真をアップロードし、それをこのサイトを訪れる人たちに見てもらうというお楽しみも用意されている。lomographerでなくてもウェルカムなので、あなたもぜひ参加してみてはいかがだろう?
ヨセミテで、14歳のアンセルが
父のブローニーを手にした瞬間
写真表現における
モダニズムの確立は始まった。
THE ANSEL ADAMS GALLERY
http://www.anseladams.com/
今年は、20世紀の最も著名な写真家アンセル・アダムスの生誕100年目にあたる。ニューヨーク近代美術館やカリフォルニア美術学校での写真部門の確立に尽力するなど芸術表現としての写真の地位を高めたばかりではなく、環境保護運動の推進者としても高く評価されているアンセルアダムス。そのアンセルアダムスギャラリーのサイトをご紹介したい。彼と写真の最初の出会いは、14歳の時両親とヨセミテを訪れた際に父親のブローニーを手にした時だったそうだ。そして彼のアメリカヨセミテ国立公園の雄大かつ幻想的な風景写真は、「伝説の風景」と称されているだけあって感銘を覚える。彼の素晴らしい作品の数々を堪能したら、次はFine Art Photographyというカテゴリーに紹介されている写真家たちの作品をご覧頂きたい。私は、その中でもKerik Kouklisという写真家の光と霧の微妙なバランスによる妖しい美しさが一目で気にいってしまったのだが、サイトが厳選し紹介しているだけあって、どの写真家の作品も一見の価値はある。
セピア色の優しい光の中で捉えられた
しっかりとその存在を主張する
静物たちの強さ
Ion Zupcu
http://www.ionzupcu.ro/
ルーマニアの写真家Ion Zupcu氏のサイト。彼の作品は、その抑えられた光と柔らかなフォーカスが被写体のディテールを隠しているにもかかわらず、甘美なセピア色の静けさ、空気、匂いまでが強烈に漂ってくる気がする。そしてどの作品も、真正面から間近にとられた構図のはずなのに、どういうわけかしっかりとした遠近感を感じさせるのだ。私は写真の詳細な技術は解らないが、彼の花や、ボトルや、古びた道具たちのその上品な姿の後ろに、実は巧みにしかけられた光の操作があることは想像ができる。彼の作風は、たぶん好きな人とそうでない人に割とはっきりと分かれるのではないかと思われるが、彼のこういった作品への思い入れときめ細かな配慮・優しさは、まさに賞賛に値すると私は思う。さて、あなたは彼の世界、好きですか?
水田明子
みずた・あきこ (株)日本電気デザインセンター(現(株)NECデザイン)でのプロダクトデザインのアシスタント時代を経て、企画デザイン会社(株)カムス・キャパにてグラフィックデザインの仕事に従事。その後アナログからデジタルへと移行する中でゲームの背景デザインや雑誌の挿し絵などを制作し、現在は(株)リコーヒューマンクリエイツにて企業におけるドキュメントデザインの標準化に携わる。
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