12月18日。いよいよ最終版プレゼンテーションの日です。ほとんどの班が、前回と同じ子をプレゼンテーターとしていました。1班のちかちゃんもプレゼンテーターとして、この日に向けて準備を進めてきました。最初は、3分間の発表内容を丸覚えしようと思いました。でも発表途中で頭が真っ白になってしまうと困るので、要点だけ覚えて、あとはアドリブでできるように練習しました。毎日、朝休みに友達とリハーサルを重ねました。また彼女は、自分の声が少し通りにくいことを気にしていました。それを克服するために、家で妹に遠く離れて聞いてもらって、声が届くかチェックする練習もしました。
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あとがない最終プレゼン |
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がんばるちかちゃん |
そして迎えた本番。1班の彼女は、発表順がいつも1番なので、人一倍どきどきします。何日か前に、テレビで放送していた「緊張をほぐす裏技」というのを試すことにしました。左手の薬指を、右手で握ったり離したりするというものです。試してみたけれど、まだドキドキしています。それを見て同じ班の友達が、「別に間違えてもいいよ!」とはげましてくれました。いよいよ、中川先生と北川氏が待つ部屋に入りました。前回のプレゼンテーションの時と比べて、参観者の数が明らかに多くなっています。それを見て、彼女のドキドキは頂点に達しました。でも「これから1班の発表を始めます!」とプレゼンテーションをスタートしてみると、ドキドキもどこかへふっとんでいきました。彼女は、「先生への訴えを強めた」「楽しんでできることを伝えたかった」ということを強調しました。そして、なんとか自分達のパンフレット案を採用してほしいという気持ちで、3分間のプレゼンテーションをやりきりました。控え室に帰ると、彼女はいすにドカッと座り込んでしまいました。手のひらは、汗でびっしょりでした。
ちかちゃんの発表に続き、2班、3班とプレゼンテーションが続きます。3班のつばさ君も、前回に引き続きプレゼンテーターとなりました。前回よりも芯のある声で発表しています。「僕達は中身のページにも自信があるけど、特に表紙で他の班と勝負したいです!」と、力強く締めくくりました。熱い思いがひしひしと伝わる、いいプレゼンテーションができました。
全ての班のプレゼンテーションのあと、審査会を持ちました。北川氏は「ある程度決めてきたんだけど、プレゼンを見てまた迷ってしまった!どうしよう・・・。」と、1位を決めかねておられる様子。クライアントが迷うということは、子ども達のプレゼンテーションが心に響いた表れです。指導者としては、とてもうれしい気分でした。ぎりぎりまで迷われたあと、「決めました!」と北川氏。その後、講評および審査結果の発表となりました。
まずは中川先生が子ども達に向かって、「どう?大変だった?」と第一声。すかさずつばさ君が「すごーく大変だった!こんなに頭使ったの初めて!」と返します。すると中川先生は「みんなのプレゼン、前回よりもすごく上手になったねぇ。私達の案はここがウリですから、採用してください!という気持ちが出てたよ。」とほめてくださいました。さらに「1班は表紙画像、2班はキャッチコピーがよかったねぇ!」とそれぞれの班の優れている点を説明されました。「でも、決めるのは私ではありません。アドビの北川さんが、アドビのパンフレットとしてはどれがいいかという視点で決めることになります。では、審査委員長の北川さんにかわります。」とバトンタッチ。北川氏の講評となりました。子ども達の間に期待と不安が入り混じった雰囲気がザワザワと広がります。中には、なぜか北川氏に向かって手を合わせて拝んでいる子も・・・!?子ども達の前に立った北川氏は、まずはじめに次のような言葉をかけられました。「最初にみんなにお礼を言いたいと思います。前回はすごく厳しいことを言いましたが、それにも負けずにがんばって、すごくいいパンフレットを作ってくれました。本当にありがとうございました!」それから、各班のパンフレットの講評にうつりました。北川氏はレイアウトの改善、わかりやすい説明の工夫、子どもの写真をたくさん使うアイデアなど、子ども達の努力のあとをきちんと評価してくださいました。もちろん、ホンモノパンフレットという観点から、まだ合格に達しない点もしっかり指摘されました。約25分間にもおよぶ、とても中身の濃い講評となりました。 |