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各校の実践報告
活動報告    各校の実践報告 
 6年生の総合的な学習の時間に、上記のパッケージを使った8時間の実践を行った。短時間のパッケージでありながら、導入時にマグネット磁石を使った比較体験を通して違いに驚き、自分自身でもUD商品を考えてみようという意欲をもたせることができた。また、自分の考えたUD商品をプレゼンしたり、友だちの考えたUD商品を評価、ブラッシュアップしたりする活動を通して、伝える力や相互評価する力を高めることができた。

 
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 大根布小学校6年生は、1、2学期の総合で「プロジェクトXO(大根布)〜人の生き方に学ぼう〜」に取り組んだ。そして、より良き人の生き方をみんなで考え深め合った。そこで、3学期はよりよき社会のあり方を考えようということで、ユニバーサルデザインを考えることにした。
 導入では、一昨年「NHK週刊子どもニュース」で放映されたユニバーサルデザインのビデオを視聴しコクヨさんから提供されたはさみやラッチキス、プニョプニョピンを触ることにした。短いスパンの学習ではあったが、実感をともなった学習となった。児童の振り返りには、「いろんな人のために考えるようになった。」「今までは体の不自由な人たちとは別世界にいるような遠い存在に思っていたけど、この活動を通して身近に感じることができた。」等の感想があり、心のバリアフリーへの小さな一歩が踏み出せたのではないかと思う。
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 新しくできた施設などには,バリアフリーの考え方は当然のように実現している。さらに、UDを意識した施設もかなりな数存在している。現に,5年生の子どもたちが出かけた「生命の星 地球博物館」はUDの概念で作られた施設であった。この授業の導入では,「生命の星 地球博物館」で撮った写真から,UDに直に触れている写真を取り上げて,UDの基礎的な理解をはかろうと考えた。
 しかし、当初は、指導の手ごたえをあまり感じられなかった。そこで、調べ学習をしたのだが、UDの活動を始めるにあたり、教育指導室から「単なるUDの調べ学習に終わる危惧があ る。」とのご指導があった。そこで、調べ学習を十分行った上で、近隣の施設見学や、GTからの講義を受けるという計画を立てた。
 最初に、インターネットや図書室の本から様々なUDに関する情報をまとめていった。これに十分な時間をとった。サッカー場でのUD、シャンプーのUDなどを報告書にまとめた。さらに、夏休みには、身近なUD探しの課題に取り組んだ。家の中や近隣からUDを探し出した。さらに旅行先で出会ったUDについて報告書にまとめた。比較的新しく作られた施設に入ると、それまでバリアフリーの考えの元に作られていたものから、UDの概念に基づいたデザインになっているものが多くなってきている。その発表会をした。
 子どもたちは、保育園や南部ふれあい会館に見学に行った(10/6)。そこでは、特に説明がなくても、施設内部のUDに気付くようになっていた。子どもたちによって施設の中のUD写真をたくさん撮ることができた。ゲストティーチャーとして、座間市高齢対策課主査の鈴木孝幸さん(9/30)、コクヨS&T(株)の生形瑞絵さん(10/22)を招いて授業を聴いた。
 こうしたUDの学習を通して、身近にあるものを見る子どもたちの目が変化してきたことが最大の成果である。ある保護者が「いっしょに街角を歩いていると『あっ、あれがUDだ。』と教えられることがありびっくりした。」とおっしゃった。さらに、身近にある施設や製品を作っている人の苦心や配慮に気付いてくれるようになったのではないかと考えている。
 3学期入って、「学校や綾瀬市内をUD化するアイディア」をまとめた。その報告書が市の学校施設課に届けられて、UD化の実現に向けた資料となっている。
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授業デザイン
 子どもたちにとってはUDに関する活動は2年目にあたる。昨年度は社会科の自動車工業の学習(トヨタのラウムの学習)にはじまり、コクヨのUD具から身近にあるものの不便探しを行い、UDアイディアを考えた。今年度は4月からコクヨのいろいろなUD文具を自由に教室内で使用し、自分たちにとってほんとうに使いやすい物であるかを体感させることから学習を開始した。夏休みの自由研究でもう一度UDの考え方を調べなおした子、いくつかのアイディアを友だち同士話し合っている子など、全体学習を始める以前も子ども達の意識はある程度UD商品開発に向いていたようである。いよいよ、UDアイディア募集の際にもいろいろなアイディアが出された。今年度はグループでの練り上げを主眼において授業を考えた。似たアイディアの児童でのグループ作り、アイディアの発表、さらなる練り上げでの代表の選出という段階である。

グループ作りのもとになるアイディア提示
子どもの学び
(1) 視野の広がり
アイディアのラフスケッチに
よるアピール
子どもたちはアイディアを練る際にもう一度自分たちの生活を見直し、不便ということの意味を考えた。自分たちには不便と感じなくても他の人々にとっては・・・という視野の広がりを得ることができたようだ。そのことから、老齢者や小さな子どもたちの生活を、自分たちの生活と遠い特別な物とするのではなく、身近な物として捉えること、その人達の立場に立った考え方をすることが可能になったのではないかと考える。

(2)コミュニケーション力の向上
話し合い活動に意義を見いだすことができた。アイディアを練り上げる際に、自分の考えが反映される楽しさ、喜びを見つけることができた児童が多かった。子どもたちの話し合いは真剣そのもであった。どうすれば自分の考えをわかりやすく伝えることができるか、工夫を重ねた話し合いができた。
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 6年総合「すべての人にやさしい社会」の中で、バリアフリー(以後BF)からユニバーサルデザイン(以後UD)への流れで授業を組んでいった。BFは国土交通省「交通バリアフリー教室」を核にし、国語科でのパネルディスカッションではUDは必要かと話し合うことで、考える力と表現する力をつけながらBFからUDの流れを作った。D-proのUDプロジェクトでは、UD商品開発会議と銘打ち、プレゼンを繰り返すことで、プレゼン力のアップが図られ、実際売られている商品との競合意識をもたせることで、よりよい商品づくりの視点を持てた。
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 本校のUDへの取り組みは2年目となり、昨年度は、5年社会科「ものづくり」の単元から学習を進め、自動車産業を取り上げながら、みんなが使いやすいものづくりとは何なのかを考えていった。こんな自動車があったら、みんなが使いやすいということをクラスの中で提案しあい、子どもたちは学習を深めていった。しかし、その提案はクラスという枠を越えることができず、子どもたちは活動をすっきりしたものとして終わらせることができなかった。
 その子どもたちが6年生となり、国語「みんなで生きる町」の学習が子どもたちの中でくすぶっていた「ユニバーサルデザイン」への思いにもう一度火をつけた。今度こそ、自分たちの提案をその仕事に関わっている大人へ何とかしてぶつけたい。本物へこだわりたいというものだった。そこで、コクヨの生形さんに来校していただき、自分たちが考えたUD商品を提案していった。発表内容をお互いに吟味したり、プレゼンテーションソフトを活用して、発表資料づくりを行ったりしながら、クラス一丸となって、取り組んでいった。
 今までの学習では、クラスの中でのよく知った友達同士の発表なので、少し甘えもあった。言葉が足りなかったり、図や表の示し方が悪かったりしても、それを暗黙のうちに補っていた。それもクラス集団としては大切なのだが、集団としてより高まっていくためには、その暗黙の了解が足かせになっていると感じていた。そこで、やはり教室の枠を越えた「本物」に登場してほしかった。みんなでレベルを高めていこうという思いになったことは本当に大きな収穫だった。
 授業をデザインするとき、こんな力を子どもたちにつけさせたいと考える。そして、子どもがこんな風になりたい、できるようになりたいという思いが、教師が考えた「身につけさせたい力」と近ければ近いほど、学習はしっとりしてくる。この取り組みでは、どこでコクヨの生形さんが来校してくれることを出すかが難しかった。来ていただける日にちに近すぎると、準備期間がないとあきらめてしまう。逆に長すぎると、間延びしてしまい、意欲がなくなってしまう。そこで、子どもたちに学習の見通しを持たせ、あと何時間必要なのかを何時間もかけて話し合った。その話し合いが、まさに「ユニバーサルデザイン」の考え方そのものだった。「みんなにとって必要なのは・・・」という言葉が何度も出てきて、子どもたちが授業をデザインすることそのものが、UDなのだと痛感させられた。子どもたちはUD商品を提案する前に、もうUDの実践者となっていた。
 また、この学習では「達成感」をもう1つのキーワードとしてきた。 ほめられることがどんどん少なくなってきている高学年は、どんどん自信をなくす時期でもある。新しい商品を生み出すことができたことは、大きな自信につながった。これが子どもたちの重要な学びであり、心を磨き、感性に働きかける学習として成立した。
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「身近なUDを再認識させる」ようにした。何となくみているものを、UDという視点で意識してみるようにさせたのである。 授業デザインとしては、「UDを長田町小学校に広めよう」を第一ステップとし、発展的に、家族や地域に広めるを第二ステップとして二段階にした。
 第一ステップは、スモールステップとしてクラス内で (1)知る (2)知識を広める(ゲスト) (3)比較する  (4)考える (5)伝える 校内で(1)知る A知識を広める(ゲスト) (2)比較する (3)考える (4)伝える と2サイクル。
 第二ステップは、スモールステップとして1回目 (1)作成 (2)グループ発表リハーサル (3)ビデオ撮影で自己評価・相互評価 修正して2回目 (1)作成 (2)グループ発表リハーサル (3)ビデオ撮影で自己評価・相互評価 長田っ子フェスティバルでプレゼン(画用紙・模造紙・PC・実物などデジタルにこだわらない)、来場児童、職員から評価カードをもらう。地域からの来場者にプレゼン。投票とカードによる評価。後日それをふまえて、最後に、自分たちで、相互評価。

 子供の学びは、ゲストによる「本物の人とのであい」、伝えることの「伝えたいことと伝わったことの差の認識」、声や表情だけでなく「中身がないとみてもらえない体験」、同一課題を取り組む「異学年との掲示板による交流」。  反省として、総合的な学習としての学校の評価基準があいまいなため、学校としての数値的な評価が出ていないことである。
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