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キーワードで読む情報教育 11
校内LAN
〜あらためて教師の役割を問う〜
レポート1
考えよう、2005年になったら何ができるか 〜広がれ、ネットワークコミュニケーション〜
江守恒明
(富山県 富山県立大門高等学校)
2005年、すべての学校のすべての教室から、高速回線でインターネットに繋がるようになります。2台のコンピュータが教室に入り、授業でも自由に使える環境がやってきます。また、学校業務における書類のデジタル化や成績処理のコンピュータ利用が進み、ネットワーク上でのデータの蓄積や共有が当たり前になりつつあります。そこで、校内ネットワークを構築する際の基本的な考え方とその活用方法を探ってみましょう。

校内ネットワークを構築する際には、セキュリティー上の問題から、生徒用ネットワーク(コンピュータ室や教室など主として生徒が利用するコンピュータに接続)と教職員用ネットワーク(教職員が利用するコンピュータに接続)とを切り離す必要があります。

次に、ドメインネームサーバは、コンピュータ管理とユーザ管理を行え、セキュリティーの強化とトラブル防止に必要です。そして、利用者にはユーザ名とパスワード管理を行う意識を持つことが望まれます。完成すると空気のような存在で、ストレスなく運用できる利便さとセキュリティーのトレードオフに頭を悩ませるかもしれませんが、セキュリティーに重きを置いて考えるべきでしょう。では、このようなネットワークシステムを構築する上で、必要なサーバの種類とはどのようなものであるのでしょうか?

学校の環境によっては不必要なものがあるかもしれませんが、本校では、インターネットサーバ(DNS、Web、メールなど外部とのやりとりを行うサーバ)、イントラネットサーバ(校内Webや掲示板等、校内でのみ利用するサーバ)、動画配信サーバ(VOD《ビデオオンデマンド》ができ、動画を配信するサーバ)、教職員用ドメインネームサーバ(教職員のユーザ認証とファイル共有を行うサーバ)、生徒用ドメインネームサーバ(生徒のユーザ認証とファイル共有を行うサーバ)、学習支援システムサーバ(成績処理、出席管理、授業シラバスなど学校独自の管理システムが入っているサーバ)の6台があります。
校内ネットワークが構築されると、学校内における情報の共有とネットワークコミュニケーションが可能になります。情報の共有は、文書だけでなく、写真やビデオ映像などデジタル化されたすべてのものを扱え、サーバのユーザ管理により、フォルダごとに利用者権限を制限できます。本校では、サーバに授業ごとのフォルダや生徒個人フォルダを作成し、教材やワークシートなどの読み取りや課題の提出先、個人のデータ保存に利用しています。ビデオ映像は、MPEG1形式で動画配信サーバに蓄積しています。教材や生徒作品など授業中での利用をはじめ、学園祭や体育大会、遠足などの学校行事、生徒会選挙放送や放送部が取材した地域の話題、運動部の試合報告など多様な素材があり、欲しいときに見ることができます。さらに、実験・実習の手順、英会話など授業で利用できる教材映像を準備することにより、個人レベルで繰り返し再生が可能になり、VTRでは実現できなかった個々の進度に合わせた学習が可能になります。

校内だけで利用可能なWebページや掲示板を設けると、自由に自己表現できる場所を確保できます。自作ホームページやコンピュータで制作した音楽・美術作品、授業の感想・意見など利用範囲は広くあります。CGIなどのプログラムを組めば、アンケートを瞬時に集計することもでき便利です。一方、校内サーバを持つことにより、生徒にメールアカウントを発行することもできます。教員からの連絡や生徒からの個人的な相談などはメールを利用して気軽に行うことができ、クラスのメーリングリストは、教室で話せなかったことや一斉連絡に大いに役立っています。また、自分の近況報告や趣味など連載記事として投稿する生徒も出て、ネットワークコミュニケーションが校内にできつつあるのです。

教職員用ドメインネームサーバや学習支援システムサーバは、校内すべてのデータが蓄積され、情報の共有や校務処理に欠かせないものとなっています。また、教職員だけのメーリングリストは、いろいろな連絡や共通理解に役立っているのです。
校内ネットワークを構築することにより、筆記用具として利用していた個人のコンピュータを、ネットワークコミュニケーションの道具へと変身させることができます。さらに、子どもたちの学習意欲を高める道具として、子どもたちのコミュニケーションを豊かにするための道具として、その可能性を広げていければと願っています。
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