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外部人材
レポート1
行政のゲストティーチャーに学ぶ
中條敏江
(石川県 松任市立東明小学校)
地域を活動場所とした総合的な学習では、テーマが何であれ、行政と切り離しては考えられません。子どもたちにとって、利用者だけでなく行政の方に話を聞き自分たちの考えを伝えたりすることは追究の意欲になり学習の深化にもなります。また、自分の手で地域を大事にしようとする態度育成にもつながると考えられます。

昨年度、「まちづくり」をテーマにして取り組んだ実践で、市の公園緑地課の方に来て頂きました。総合的な学習の時間であり、その中で学習が深まるようなゲストとの出会いを効果的にするために、次のことに気をつけてみました。

・子どもたちの必然性の中でゲストとの出会いになるしかけ
・ゲストとの直接会った打ち合わせ
・子どもたちの質問を中心とした会の構成

総合的な学習では、分かれて追究活動をすることが多いと思われますが、共通テーマを意識させておくと、ゲストから話を聞いたりする時も他のグループのことも自分の問題として考えられました。子どもたちは、「公園は地域の宝だろうか」というテーマで、遊具施設、体育館、芝生広場などにわかれ、出かけていったり、利用者や公園の方にインタビューしたりしていました。そして「なぜ3億円もかけてリニューアルしたのか」「本当に地域の宝になっているのか」など、どのグループも設置した市役所の方に聞いてみたいという気持ちが高まってきていました。そこで、公園緑地課の方に来て頂き、話を聞くことにしました。
これまで、打ち合わせをしながらも、時間配分や進め方などでうまくいかなかった場合が多くありましたので、内容と会の進め方の両方をうまくプロデュースする必要があると感じていました。そのため、行政の方との打ち合わせは直接会い、子どもたちとゲストの方の思い、教師の願いが自然な流れの中で出てくるように心がけました。

・教師の願いをきちんと伝える
・子どもたちの質問や願いを伝える
・公園緑地課の方の思いを引き出す

子どもたちの質問の答えを聞くだけでなく、公園に対する行政の方の思いをいろいろな視点で聞いていきました。今回の場合は、リニューアルからさらに公園の歴史をさかのぼり、その地に総合公園ができたわけは、国道から住民を守るためであったことや、長期的な展望としての公園を考えていく視点なども知ることができました。ゲストの方を招く重要性を一番感じるのはこの時です。当然のことながら、教師の考える以上に地域に対する思いは強く専門的です。

しかし、行政の方はその思いを伝えるということに慣れていない方が多いため、子どもたちの質問を伝えるだけでは行政の方の思いはわからないことが多くあります。直接会って時間をとって打ち合わせをすることがゲストとの授業を豊かにすることにつながると考えられます。

行政の方の思いがわかればわかるほど、それについて語って頂きたいものですが、総合は子どもたち主体の活動が大事であり、時間にも限りがあります。また、大勢の前で話すことには慣れていない人のためにも、次のことを大事にしました。

・説明のポイントを押さえる。
・説明の時間を短めに明確に伝える。
・大きな声で話して下さるように頼む。

そして大事な事は、その時間だけですべてが終わるのではなく、もっと聞きたいと、次につながるようにすることだと思います。
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