本校では、平成12年度、13年度と連続して、6年生の総合的な学習の時間のテーマに「国際理解」を選びました。世界の国々について調べたり、日本と比べたりする活動を通して、その背景にある文化の違いに気づき、それを尊重しようとする態度を育てることをねらいとしています。また、外国人とのコミュニケーションをより多く図ることで、世界の人々が共に生きる仲間であるという意識をもたせることができると考えました。そこで、学習活動に協力してくださる外部人材(外国人)を探し始めたのです。
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1)ゲストティーチャーとして学校に招く
まず、一番身近なのは保護者の活用です。幸い、本校には中国人とペルー人、韓国人の保護者がいましたので、ゲストティーチャーとして依頼し、年間を通して協力してもらうことができました。
2)電子メールを活用した交流
子どもたちが選択したすべての国について、ゲストティーチャーを見つけることはできませんでした。また、まず図書資料やインターネットなどを活用して調べ、それでも分からないことや、もっと詳しく知りたいことなどについて追求するような学び方であれば、電子メールを使ってアドバイスをもらうという方法も有効であろうと考えました。
そこで、柏市内の大学にお願いをして、数名の留学生を紹介してもらいました。すると、留学生のネットワークで、国の数も、メールボランティアの数も十分過ぎるほどになりました。また、留学生を通して現地の最新情報などを入手することもできました。留学生からの回答を学習に役立てたことはもちろんですが、何十通ものやりとりを通して、子どもたちは留学生をお兄さんやお姉さんのように慕うようになっていきました。
なかには、現地のアメリカ人とダイレクトな交流を試みたグループもありました。しかし、交流相手から届く英文の電子メールは子どもたちには翻訳できません。ここでは、柏市内にある高校に電子メールを転送し、翻訳して送り返してもらうという方法をとりました。高校生にとっても、生きた英語を学ぶチャンスだと喜ばれました。また、このことをきっかけに、高校生と小学生の新たな交流も芽生えました。
3)テレビ会議を活用した交流
電子メールでの交流を行っているうちに、やりとりに時間がかかってしまうことや、文章だけでは説明しにくい内容が出てくることがありました。そこで、お互いの意見を交換しあったり、動きのあるもの(ジャンケンの仕方や伝統的な遊びの紹介など)をテーマにする際には、テレビ会議を併用することにしました。リアルタイムな画像と音声により、電子メールだけでは伝わりにくい面を補うことができました。
ここまで、外部人材の活用方法について3つの例を述べてきました。もちろん、学校に来ていただいたり、子どもたちが伺ったりして直接触れ合うことが一番望ましい方法だと思います。しかし、時間や距離等の問題で、お会いしたり、何度も来ていただいたりすることができないケースもあります。そのような場合には、電子メールやテレビ会議等の情報通信機器を活用して、外部人材と交流するという方法も有効ではないでしょうか。 |