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キーワードで読む情報教育 16
テレビ会議
レポート1
気軽にテレビ会議
佐藤幸江
(神奈川県 横浜市立大口台小学校)
私たちが子どもだった頃にはなかった道具が、今の教育現場に登場してきています。もちろん、そんな目新しい道具を使わなくても授業はできる!という先生も多いのではないかと思いますが、そういう道具と出会ったときの子どもたちの目の輝き、使いこなせるようになったときの発想のおもしろさ・自信に満ちた顔を、ぜひ知っていただきたいと思います。

ここで御紹介したいのは「テレビ会議」を活用しての授業です。テレビ会議というと、何か大変なシステムを用意して、準備周到にしてやらないとできないかのように感じてしまいますが、本校では、いわゆるテレビ電話を活用して、子どもたちの必要に応じて気軽にテレビ会議をやっています。

6年生の教室にテレビ電話とプロジェクター
4階の視聴覚室に電話回線が来ています。視聴覚室でテレビ会議をすることもできますし、延長の電話線をつなぐと自分たちの教室からでもすることができます。テレビ電話にプロジェクターを接続すれば、大勢で見ることもできます。もちろん、6年生の子どもたちですから、それらの準備も自分たちでやります。相手の学校の電話番号を入れてコール音が響き、相手の顔が写し出されるときは、何回やっても子どもたちの歓声があがる瞬間です。教師にとっては、「やったね!」という瞬間です。
<リアルタイムな情報交換ができる=20年後の入江川について考えよう>
自然の少ない本校の子どもたちに、自然への憧れや自然を大切にする気持ちを育てたいと、同じ神奈川県でも自然の多く残る場所にある宮が瀬小学校に交流をお願いしました。追求するテーマを「川」にしぼって、情報交換するときにテレビ会議も活用しました。

子どもたちは、自分たちが近くの入江川へ行って探検してきたときや図書資料を使って調べてきたときなどに、宮が瀬小学校に電話を入れてテレビ会議をお願いしました。

そして、実際の川の水や拾ってきたゴミを紹介しあったり、テレビ電話の前で簡単な実験をしてみせたりしました。川の水のきれいさやゴミの量の違い、川遊びの様子など目の前で見ることができた子どもたちは、回を重ねるごとに自然に対する気持ちが変わっていきました。

<プレゼンテーション力を鍛える=大学生とジョイント授業>
小学生と大学生が授業!?そんな授業が成立するのかと不思議に感じられる方もいらっしゃるかと思いますが、これがなかなかおもしろい授業になりました。テレビ電話を通じての金沢大学の大学生のプレゼンテーションを、小学生の子どもたちが評価するというものなのですが、ちょうど、プレゼンテーションのテーマが、テレビ会議の少し前に国語で学習したことと似ていたのです。『100年後の20世紀』という教材文を読み、自分たちも新聞やテレビやインターネットで調べて「○○年後の未来予測」をまとめ、クラス内でプレゼンテーションをしていたのです。ですから、大学生のプレゼンテーションは、小学生の子どもたちにとって非常に興味深いものとなりました。

大学生の方は小学生が興味を示すようにと、ドラえもんを主人公にしたり、紙芝居風にまとめたり、小学生へのインタビューをプレゼンに織り込んだりと、何日もかけて調べ、その日は朝から準備をしてテレビ会議にのぞんだそうです。小学生にプレゼンするということが大学生にやる気を呼び起こしたようです。かたや小学生は「みんなの評価が大学生の成績になるんだよ。」と教師に言われ、少し緊張気味でテレビ会議にのぞみましたが、プレゼンテーションが始まると「写真がはっきりしない」とか「言葉の意味が分かりにくい」とか、結構辛口の評価をしていました。ただ、「さずが大学生のプレゼンテーション」との評価もあり、次の自分たちのプレゼンにそれを生かしていました。

まだまだ、テレビ会議は使いよう!!
テレビ会議を利用すると、博物館や科学館と結んでとか、専門家の方とのジョイントとか、いろいろおもしろい交流ができそうです。また、電子メールや掲示板の利用が難しい低学年の子どもたちには、大いに利用価値があるのではないかと感じています。
 

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