暁小学校では、協働学習や学校間交流、遠隔学習にテレビ会議を活用しています。テレビ会議は2地点間会議だけでなく、多地点を同時接続し、常時全学校を表示した会議も多数実施してきました。テレビ会議の特性をうまく利用し、伝えたい情報を、相手にわかりやすく、そして楽しく伝える工夫を紹介したいと思います。
ステーキ!これどこの名物?
4年生協働学習「全国多地点方言交流」の参加9校を同時接続したオープニングテレビ会議では、最初学校名等一切紹介せず、一斉に地域の特徴を表す物をスクリーンに表示しました。大阪のたこ焼き・福岡の博多人形・三重の松阪牛などなど・・・子どもたちはその画像を見て、解答用紙に県名や学校名を記入していきました。そしてドキドキワクワクしながら、一つひとつ名物から各会場にカメラが切りかわるのを待ち、学校が分かると、歓声が飛び交いました。ありきたりの学校紹介とは一味違ったテレビ会議のスタートに、子どもたちはもう夢中でした。そして、なぜ、さつまいもが沖縄の名物なのか、気仙沼の大島小の海にはサメがいるのかなど、交流校への、そして協働学習への興味感心は、このテレビ会議で大いに深まっていきました。
グー・チョキ・パーでハラハラ ドキドキ!
テレビ会議初体験の子どもたちには、よくジャンケン大会を実施します。音声と映像表示の時間差を逆手にとって大変興奮するジャンケンが行えます。つまり「ジャンケン ポン!」と掛け声をかけてから、実際に掛け声をかけた代表の子どもの手が表示されるまで数秒かかります。その間、代表の子どもが何を出したかハラハラ ドキドキして待つ訳です。緊張を和らげ、リラックスして発表を行うための手立てとして大変有効です。
今度は、赤が多いぞ!
短時間での学校や地域の紹介は、単にことばで説明するより、クイズ形式で紹介する方法の方が、興味を増し、特徴が伝わりやすいことがあります。それも3択問題にして、解答を3色の画用紙で表示すると各会場の状況がよく分かり盛り上がります。テレビ会議での視覚を利用する工夫です。この方法はことばの壁がある海外とのテレビ会議でも有効です。
歌ありビデオあり太鼓あり…
5年生協働学習「伝統工業サミット」のテレビ会議のことです。沖縄の学校は、衣装を着て太鼓を打ち鳴らし伝統芸能のエイサーという踊りを踊ってくれました。三重の学校では運動会のマーチングパレードのビデオを流したり、会場でマーチングの動きを実演したり、トランペットを演奏したりしました。福岡の学校は長崎ちゃんぽんの音をクイズにして、解答コーナーでは実際に長崎ちゃんぽんを鳴らして解説してくれました。また各学校がそれぞれ全員で校歌を合唱もしました。
このようにテレビ会議では、動きや音が直接相手に伝えられることで、ことばによる説明だけでは伝えきれない部分が、相手の五感に訴えかけ、心の奥まで伝えることができ、お互いの理解や、場を共有した大きな感動がそこに生まれるのです。またテレビ会議で紹介された松任市の金箔や沖縄のお菓子などの品々を、郵送でプレゼントされるなど子どもたちも大喜びでした。オンラインの交流が直接の交流へと結びついたのです。
同じ発表でもこんなに違う表現方法
4年生協働学習「全国多地点方言交流」では、方言の比較差異を味わうよう、方言で桃太郎の朗読を行いました。この取り組みでも、単に朗読するだけでなくテレビ会議の特性を活かし、影絵やお面を使った劇仕立て、紙芝居やペープサートを活用して朗読したりと、表現の仕方や伝え方に各学校の工夫が現れ、同じ内容を順に朗読するだけでしたが、各地方の方言と、その表現方法の差異により、大いに楽しむことができました。
資料をたっぷり使ったプレゼン
研究発表テレビ会議では、研究内容を多様なまとめ方にして工夫できました。プレゼンテーションソフトでまとめを作ったり、模造紙でまとめたり、紙芝居的にまとめたり、実物を提示したりと、提示資料を工夫し、相手を意識してわかりやすいまとめ方ができました。そして、発表の仕方もニュース番組的な場面設定をして、テレビ画面の枠を自分たちで作りキャスター役の子どもが発表を進行させるという工夫も見られました。見ていて分かりやすく、たのしい発表会になりました。
他にもこんなテレビ会議が…
6年生では、関連の中学校と連携し、中学校生活を理解する中学1年生とのテレビ会議を実施しています。テレビ会議を使った英会話学習もスクリーンの向こうにいる先生と話したり、先生の英語のヒントにより、こちらの会場で宝さがしをやったりと英語への興味関心を増す取り組みとなっています。
URL
http://www.akatsuki.ed.jp/akatsuki-e/hougen01/index.html
http://www.akatsuki.ed.jp/akatsuki-e/dentou01/index.htm |