その1:子どもたちからのアプローチ
今まで、学校で「教える」というのは良かれ悪かれ先生の役目だった。しかし、パソコンの登場によりその関係が一変した。子どもたちが自然にパソコンと触れ合うようになると、子どもたちは担任の先生に教えるようになる。まさに「立場の逆転」である。実はこの立場の逆転が先生にとっても大事なことなのだ。子どもたちから学びいっしょにパソコンと関わることで、それまで見えなかったクラスの子どもの姿に出会うこともしばしばあるからだ。
「ねぇ先生、今度社会の発表でパソコンを使おうよ!」
「3年生はカード作りでパソコンを使っているよ」
子どもたちからのアプローチで動かされる先生も少なくない。
先生方を引き込むためには、まず子どもから…時間がかかるが確かな方法だ。
その2:タイミングよく日常会話でアドバイス
困ったとき、こうしたいがどうすればいいのかというとき、気軽にしかもタイミングを逃さずアドバイスすることが、ビギナーの先生方の不安をなくす。「今度教えますから…」と時期を逸すると、その先生はもう聞いてはこなくなる。こういうことは「生もの」なのだ。
そして、その際にはパソコンの専門用語はなるべく避ける。特にパソコンに対して距離をおいている先生方にとっては、専門用語がまるで「宇宙人の言葉」にしか聞こえない。結構、この「ワケのわからないニホンゴ」を聞いて、「コンピュータは難しいそうだから近寄らないようにしましょう」と、さらに先生方とパソコンの距離を遠くしていることにパワーユーザーの先生は気づかない。
その3:見えるところにおく
心理的に近づけるだけでなく、空間的に近づけることも大切な要素だ。子どもたちの場合と同じように、「パソコンがいつでも自由に教師が触れるようになっているか?」ということだ。「ちょっと触ってみようかな?」「ちょっと授業で使えるか試してみようかな?」と思った時(チラッとでもいい)に、何かの障害で触れなかったらよっぽど強い意志をもっていない限りは、そこで「や〜めた!」ということになってしまうだろう。例えば、職員室にあるパソコンにスイッチが入っているかどうか…なんていうコンピュータの扱いに慣れている教師からすると、バカらしいようなことで、それ以外の教師のパソコンへの「出会い」のチャンスを摘んでしまうことがけっこうあるのだ。
その4:やらざるをえない状況(組織)を作る
人間、授業でも研修のインストラクターの仕事でも、「あんたに頼む」と責任を持たされると、自分が認められたように思い頑張ってしまう。パソコンの知識を仕入れたり、何回もリハーサルをしてみたり…こうして、いつの間にかパソコンの技能が身についてくる。何事もやらざるを得ない状況に追い込むことがポイントのようだ。
パソコンについても、校内でそのような委員会組織を作って取り組むことも1つの方法だ。「やらざるを得ない」ものであるし、研修以外に先生方がコンピュータと関わる時間も確保できる。「必然は、やる気の母」だ!(こんなコトワザがあったかどうかは定かでないが…)
その5:自分のパソコンを購入してもらう
究極の方法は、「買ってもらう」ことだ。なんと言っても自分で買ったからには!という思い入れが生まれてくる。しつこいようだが、やっぱり「必然は、やる気の母」なのだ! |