最近は学校にホームページがあるのが当たり前になりました。私の学校では平成10年10月にホームページを開設しました。それから3年半、できるだけ多くの人に見てもらえるホームページを目指してきました。今では月平均900件ぐらいのアクセスがあり、現在の総アクセス数は約40,000件(平成14年4月現在)となっています。ここでは私が学校ホームページ作りをする上で経験した失敗談や行ってきた工夫の一部を紹介します。
|
表紙が重けりゃ嫌われる?
ホームページ作りはまず表紙から始めます。表紙はそのホームページの顔です。当然凝ったものにしたくなります。私が最初に表紙を作った時もきれいな画像やボタンをいっぱい使い、アニメーションもグルグル動き・・・というものにしました。結果はどうなったか・・・?その表紙を学校から発信して自宅に帰り、わくわくしながらアクセスしてみました。すると1分、2分、3分たっても表紙の表示が終わりません。結局、全部表示し終えるのに5分もかかってしまいました。表紙が重いホームページは、その先にいくら魅力的な内容があっても敬遠されてしまいます。仕方がないので画像をできるだけ減らしてテキスト中心の表紙にしました。それ以来、常に見栄えのよさとアクセスの快適さとのバランスを考えて、ホームページ作りをするように心がけています。
インターネットの限界性
学校ホームページには児童の作品(作文、絵画など)をのせることがよくあります。以前、情報教育指導を担当している私のところに「先生、ぼくの絵をホームページにのせて!」と訴えにきた6年生の子どもがいました。彼はもともと絵がとっても苦手だったのです。でもその時描いた絵だけはすごく集中して仕上げることができたそうです。小学校の教師って「子どもを絶対評価で見る」癖のようなものがありまして、少々できが悪い作品でも一生懸命その子どもが作ったものなら良し!とするところがあります。その絵も相対評価で見ると決してうまい絵とはいえないものでした。でも私はその子どもの意欲につながればという意図で、その子どもの作品をホームページにのせたのです。しかし数日後、その作品についての感想メールが届きました。「担任の先生はどんな図工指導をしているのですか?」という内容でした。今から思えばずいぶん失礼なメールではありますが、確かに客観的にみて発信に耐える作品ではなかったかもしれません。ホームページで作品を発信すると、そのクオリティだけが評価されます。それを作った子どものがんばりなどは外部の人には見えません。実は一番大切であるはずの子どもの思いや教師の意図は、インターネットの世界では伝えるのが難しいことをこの時初めて知りました。
|
保護者が見たくなるページって?
ホームページを作る者にとってはアクセス数って結構気になるんですよね。時にはそれがすごく励みになったりします。普通アクセス数って右上がりの直線になるのに、今までにある時期だけアクセスが急に増えたことがあります。それは5年生の「みさきの家通信」というページを発信した時のことです。本校では毎年5年生が2泊3日で三重県のみさきの家という施設に宿泊学習に行きます。2泊3日という日程は本校の宿泊を伴う行事では最長のものです。保護者の中にはとても心配される方もいらっしゃいます。そこでインターネットを通してみさきの家での子どもたちの活動の様子を見てもらえるようにしました。具体的には現地に行く先生にデジカメとノートパソコンを持って行ってもらい、子どもたちの様子の画像とテキストデータを学校に何度も電子メールで送ってもらったのです。それらを使ってページ情報を頻繁に更新したというわけです。これは大好評でした。やはり保護者には速報性、および子どもたちの姿が見える発信内容が喜ばれるということを、アクセス数の増加が物語っていました。 |