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キーワードで読む情報教育 27
学校ウェブページ
レポート2
求められる学校ホームページとは
小林道夫
(神奈川県 神奈川大学附属中・高等学校)
小林道夫
学校に専用線が導入され、インターネットを授業で使い始めたのは1996年でした。その年の6月にホームページを公開して、今年で6年になります。一人で始めた作業も、今では生徒と教員の4名のWebサイト委員会で管理・運営を行っています。

この6年間でホームページがはたす役割が大きく変わってきました。5、6年前までは「へー、ホームページがあるんだ、すごいね。」と言われて、内容よりもサイトがあること自体めずらしがられました。しかし今ではサイトがあるのは当たり前で、「このホームページわかりにくいね」とか「その情報ってホームページに載ってる?」などサイトの中身や情報に関する問い合わせ、感想をもらうことが多くなりました。公式サイトを管理運用するには大きな責任と的確な判断力が必要であることはわかっていますが、問い合わせメールが届くたびにドキドキしている状況です。

学校ホームページの役割
ホームページのメリットは情報の即時性と情報公開の簡易性です。今日起きたこと、決まったことがその日のうちにホームページで公開することができます。そしてページ数を気にすることなくデータベースのように情報を蓄積することができます。先生や授業内容の紹介、学園祭や体育祭など学校行事の子どもたちの様子を載せることも簡単にできます。HTMLタグを知らなくてもHTMLエディタを使えば、ワープロ感覚で文章を書き込んでデジタルカメラやプリント写真をパソコンに読み込んでページをレイアウトすれば、ページができあがります。

ここで、ホームページを制作し管理する側の立場にたって考えてみます。学校ホームページにアクセスした人が満足してくれるサイトを作ること、そして再度アクセスしてくれるサイトを作ることが管理者の目指すところです。まず誰が何を目的に学校ホームページにアクセスするかを考えていけば、そのためにどんなサイトを作ればよいか見えてきます。

しかし、もっと大切なことは、何を目的として情報を公開するかという学校や制作者のポリシーや理念なのです。学校には多くの子どもたちが在籍し、そこには多くの個性が存在します。そしてその子どもたちをサポートする大人もたくさんいます。学校が子どもたちにとって、社会に飛び出す前の共同生活、勉強、スポーツを修練する場として考え位置づけていけば、その様子を一般社会に向かって情報公開していくことは大変意義深いものです。

インターネットの登場により学校教育の場が学校の中にとどまらず、世界に広がりました。子どもたちが世界に向かって情報を求め、世界に向けて情報を公開することもできます。つまり、学校自体が一方的に情報を求め、獲得した情報を子どもたちに教えるだけでは決して社会の一員として参加しているとはいえません。情報を求める以上は、自らの情報を公開してこそ、この情報化社会の一員として参加し貢献しているといえます。

ホームページの可能性
学校ホームページを公開してから変わったことはたくさんありますが、最も強く感じることは多くの人から直接声を聞くことができるようになったことです。入学式や学園祭の様子を載せたとき、子どもたちの作品を載せたとき、ページ全体を新しいデザインに更新したときなど、直接感想をメールで寄せてもらえます。誉めてもらえることもあれば、指摘やお叱りを受けることもあります。しかし、こういった生の声が聞けることがホームページで情報公開した意味があると思います。

厳しい指摘をもらったときこそ、次にどのようなサイトを構築していくべきかを考え意見を交換する雰囲気が生まれます。自分たちの主張や意見をお互いに交換しながら、新しい展開を模索していくことができることこそ、ホームページの持つ大きな可能性なのです。

 

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