交流学習の混乱?
私の勤務する学校は山の奥の僻地にあります。僻地の子どもたちですから、多くの人たちと接する機会を増やしてあげなければという善意の心で燃えていました。そこで、多くの学校と交流する機会を作りました。そうすると、電子メールがどんどんくるのです。初めはおもしろがってやっていた子どもたちももううんざり。メールチェック係はなり手がなく、休業の危機になってしまいました。「あれ、このメールってどこから?」「せんせ〜い、どこの学校にメールを出したらいいの?」「もういややぁ。メール多すぎ!!」
あちらこちらの学校とテレビ会議もたくさんしました。ただただ多くの人と会わせたい一心でやったのです。「今日は、○○小学校とやね。」「ええ、違うよ。メールでは□□中学校やで。」「だって、昨日先生言ってたもん!!」そう、私自身も混乱していたのでした。
こうして転びましたが、以下のようにしてはい上がってきました。 |
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交流ネタをしっかりと子どもたちに意識させる
自分たちはどんな交流をしているのかをワークシートを活用し、確認しました。 |
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テレビ会議を子どもたちと共につくる
プロデューサー、カメラマン、司会者等の子どもたちによるスタッフ、子どもたち同士による電子メールを使ってテレビ会議の内容の打ち合わせ等をしました。 |
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評価ルールをつくり、お互い評価をする
お互いの学校同士が評価シートをつくり、テレビ会議終了後、そのシートに書き込みFAXで送りあい、すぐに評価しあい次へとつなげていきました。 |
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にらめっこのシーン |
こうしたことで、まずテレビ会議を行うまでにかかる準備時間が少なくなったのです。それぞれが自分の役割を知り、自らで資料を準備し、リハーサルはいらなくなりました。また、お客様状態の子どもたちも少なくなりました。「自分たちでつくるんだ!!」という意識がありますから、失敗したところ、成功したところをしっかり省み、次へ活かそうとします。そして、何よりも楽しいのです。
子どもたちが考えたテレビ会議で仲良しになるための遊び
発見し、まとめるだけの調べ学習
環境問題解決隊もつくりました。各個人、グループが環境問題について調べてくるのです。いろいろな発見をします。「みんなすごい!!先生の知らないことばかり。もっと教えてね。」というと子どもたちは喜んで調べます。しかし、それはただ発見しただけでした。それが証拠に発表はダメでした。漢字が読めない、意味がわからないの連発です。
子どもたちに備わっていない力を見極めた指導がなかったのです。
さて、調べる力はあります。内容を理解し伝えることができない、すなわち表現力が弱かったのです。こういう実態を踏まえ、もっと基本的な「話す・聞く」という点を「国語」などの教科と関連させて鍛えていきました。 |
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自らの今までの発表を振り返る
自分たちが発表している様子のビデオを見て、よいところ・悪いところを知り、次のルール作りに活かさせます。 |
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発表ルールをつくる(右の写真を参照) |
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発表を評価する
ルールをもとに子どもたちが発表者を評価します。発表の仕方ばかりにこだわるのではなく、聞く方もしっかり発表内容が理解できているか、教師は聞く方の子どもたちも評価します。 |
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発表を振り返り、次回への課題をもつ
みんなからもらった評価をもとに自分の発表を振り返り、課題をしっかりと把握し、次回の課題とさせます。 |
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子どもたちがつくったルール |
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こうした結果、子どもたちの発表が変わりました。まず、発表する内容を理解(もちろん読めない漢字はありません)し、相手に自分の言いたいことをうまく伝えようとする努力が見られるようになりました。発表原稿をまる読みする子はいなくなり、また聞いている子どもたちもメモをとるのが上手になりました。
不易と流行。総合的な学習こそ、このバランスをしっかりとらなければならないものです。 |