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キーワードで読む情報教育 28
総合的な学習
レポート2
総合学習ではじめてのプレゼン
「内容と表現」2頭を追ってはダメダメ!
清水和久
(石川県 金沢市立大徳小学校)
清水和久
プレゼンをプレゼンソフトを使って初めて行う時には、ツールとしてのプレゼンソフトを先に見せてはうまく行きません。なぜならプレゼンソフトの操作と、自分の課題の追求との2つに力を注いで行かなければならないからです。それにソフトの豊富な機能を先に知ってしまうと、その機能をとにかく使うことに頑張ってしまい、課題追求がおろそかになり、できたプレゼンもみんなと似たようなものになってしまいます。そのため、まず学習を先に進め、ある程度内容の濃いものになった段階でプレゼンソフト「発表名人」を紹介しました。また、このソフトは発表当日には1部の子どもが先行して使いましたが、発表が終わってから、自分の学びを振り返るのと、来年度の後輩のために全員がプレゼンを作りました。
 
さて、いったいどんな総合学習をしたかというと、「がんばれ!世界の子どもたち!」というテーマで、世界の子どもたちが平和で幸せになるにはどうすればいいのか、自分たちにできることは何かを考えようというものでした。ユニセフの親善大使をつとめた黒柳徹子さんのTV番組をきっかけとして、アフガニスタンの難民が大変困っていることを知り、新聞やインターネットで難民のことを調べ始めました。また、アフガンの難民のお世話をしている方と知り合い、学校にお招きして現地での様子を身近に聞きました。

その中で、自分と同世代の子どもたちに対してできることを考え、バザーを開いて募金を集めることや、その子どもたちが元気になるように、千羽鶴を作ったり、自分たちが楽しいと考える時の絵を書いて送ることにしました。これらの学習の成果を地域の方に発表したのです。

では、プレゼンはどんなところで使用したかというと、子どもたちが作った創作劇の背景として使いました。アフガニスタンの子どもたちが困っているシーンや、世界のいろいろな国の子どもたちが夢を語るシーンなど、クラスごとに企画した劇と映像を組み合わせることで、臨場感が生まれ、子どもたちもとっても気分がのっていました。また、体育館の各コーナごとでは、地域の方に対して自分たちで作った紙芝居の上演、募金やバザーコーナの呼びかけ、交流のある台湾の子どもたちが書いてくれた「幸せに感じる時の絵」の紹介も行われました。

発表会の後、1部の係の子が使っていたプレゼンを、自分でも作ってみたいという意識が強くなってきたので、各自が自分で調べてきた内容を「発表名人」を使ってまとめることになりました。表現したい内容ははっきりしているので、簡単な操作方法を教えるとどんどん作り始めました。どの子も4〜5枚のプレゼン画面を2時間程度で完成させました。その後で実際にクラスの中でプレゼンの発表会をしました。ここで子どもたちが気がついたことは、プレゼンソフトの見せ方には2種類あって、プレゼンのみを見て理解してもらう物(見せるプレゼン)と、語り手がいて説明をしながら見せる物(しゃべるプレゼン)の2通りあることです。特に後者は目と耳の2つで訴えかけるので、目からの情報が多すぎたり、目と耳からの情報が同じでは飽きられてしまうこともわかってきました。

総合学習でプレゼンが初めての時は、まず自分の表現したい内容を明確にすること。そして、学習のまとめとしてプレゼンを作り、実際の発表という体験を通してわかりやすい見せ方を工夫していくことが大切です。
 

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