D-projectプロジェクト2013アーカイブ
子どもの学習のためのプロジェクト

フォトポエム

プロジェクトリーダー:石田年保(松山市立八坂小学校)
サブリーダー:美藤 貴(松山市立興居島小学校)
参加メンバー:堀田優子(元松山市立石井小学校長)/岸田知絵(松山市立興居島小学校)/小田浩範(東温市立川上小学校)/村田祐子(松山市立北条小学校)/金築治美(松山市立石井北小学校)/池田正恵(松山市立和気小学校)/菅野智雄(松山市立石井北小学校)/武中晴紀(松山市立正岡小学校)/栗林賢一(愛媛CATV)/吉良光司(愛媛CATV)

プロジェクト概要

 このプロジェクトは、写真と言葉を組み合わせた「フォトポエム」という詩を、写真と言葉を往復させながら創作していく中で、言語活動の充実をめざすプロジェクトです。

 視点を変えて対象を見つめ直し、子どもたちに新たな気付きを促したり、五感で感じた感動を意識化し表出したりする手だての一つとして、写真を活用します。また、写真から言葉を引き出し、写真と照らし合わせながら言葉を吟味させていくことを通して、表現力を高めていきます。そのためは、撮影時の課題意識のもたせ方、子どもたちが詩をブラッシュアップさせていく過程での教師の支援や、子ども同士のかかわらせ方が大切だと考えています。

 さらに、学校間交流やコンテストなどの様々な評価活動を通して、一人一人の感性のすばらしさを互いに感じ取らせ、表現に対する関心を高めていきます。

プロジェクトのゴール

メディア創造力を育成するフォトポエムの実践を普及する。

プロジェクトの種類

学習活動プロジェクト

協働学習にどう迫るか

 学級内および学校間での評価活動で、互いの作品のよさを共有しあったり、一人一人の作品の見方の視点を広げたり深めたりする中で、協働的な学びに迫っていく。

メンバーの募集について

限定の募集、四国を中心としたメンバーの募集

2013年度の計画

5月 第1回運営委員会
・年間活動方針等について
・CATVフォトポエム番組内容検討
2013フォトポエムコンテスト募集開始(D-projectホームページ等)
松山市全小学校にフォトポエムWSキット配布

▶2013フォトポエムコンテスト応募要項
6月中旬~7月中旬 第1回 実践~相互評価(学校間交流)
・メンバーによる実践、相互評価
7月下旬 第2回運営委員会
1学期活動報告
10月中旬~11月上旬 第2回 実践~相互評価(学校間交流)
CATVフォトポエム番組撮影(予定)
12月 2013フォトポエムコンテスト募集締め切り
1月 フォトポエム審査会
2月下旬 2013フォトポエムコンテスト 審査結果発表
第3回運営委員会
・実践事例報告・今年度の反省、来年度の活動計画 等
3月 優秀作品 愛媛CATV放映(予定)

これまでの活動

【2012フォトポエムコンテスト】入賞作品講評

作 品 講 評

【部門①】低学年の部 優秀

 羽を開いてじっとしていることがなく、近づけば逃げてしまう蝶。これだけ近くでじっと見つめる経験はまずないのではないでしょうか。瞬間を切り取った写真の迫力を感じずにはいられません。そして、その瞬間をじっと見つめると、羽の中に並んでいるハートマーク。言われてみれば…、と気が付いた人も多いのではないかと思います。そんな低学年らしい視点で見つめた発見や感じたことを、素直な言葉で表しています。花が喜んでいるという表現にも、作者がこの蝶をどういう気持ちで見つめているかが表れています。蝶が吸っている花の色に合わせた文字色や、蝶が羽ばたいているような文字の配置も、一枚の作品から受ける印象を強くしています。


【部門①】低学年の部 優秀

 詩を読み終えたとき、かさのおしゃべりが、本当に聞こえてくるようでした。写真と詩を組み合わせた作品の世界に入っていくようです。

 バラバラに置かれた傘。ゆいなさんは、この場面だからこそ、1枚の写真から想像を広げて、「おしゃべり」のストーリーを生みだしたのですね。そして、1本1本のかさの子が本当に生きているような言葉の表現になったのだと思います。

 文字の色や形の決め方が難しかったでしょうね。気持ちの伝わる、読みやすい方法を色々と考えてみましょう。

 この作品は見る人も楽しい気持ちになる、そして、読む人がおしゃべりに引き込まれる素敵な作品です。


【部門②】低学年の部 優秀

 写真のみんなの笑顔がすてきですね。足湯につかって気持ちよさそうです。詩の中の「ポカポカ」「チャパチャパ」という言葉が、楽しそうに足湯につかっている楽しい様子をよく表していますね。「心の中も足ゆみたい」という言葉からは、足湯につかって疲れた足や心までもがすっかり温かくなって幸せな気持ちになっていくところが伝わってきます。

 写真と自分の気持ちにぴったりと合う言葉をよく考えて使っていますね。


【部門①】中学年の部 優秀/D-pro賞

 なんとすてきな写真でしょう。こんなすてきな景色を見つけるとうれしくなってしまいますね。木々の葉の中に見える空をハートに見立てて撮影した、あなたのセンスは大変すばらしいです。

 周りの木々の色がうす暗くなっているので、その分真ん中のハートの空の青と雲の白が、きれいにすっきりと見えますね。その中に入れた文字もこの写真にすっきりとなじむ色で、デザイン的にも大変美しいと思いました。文字を横書きにしたのも、この写真にマッチしています。

 ふと上を向いて、こんなすてきな景色を探してみたくなる、そんなフォトポエムです。


【部門①】高学年の部 優秀

 あとの4行が気に入りました。今まで気づきもしなかったことに気づいたのですね。写真が気づかせてくれたのですね。これでこそ「フォトポエム」です。あなたに新しい世界が広がったことが、まるで自分のことのようにうれしいです。ひょっとしたらあなたの周りには、きれいなもの、美しいもの、おいしいもの、楽しいことなどが、気づかないだけでいっぱいあるのかもしれません。

 これからも写真を撮り続け、詩を書き続けたら、もっともっといろいろな「気づき」に出合えるかもしれません。

 写真を邪魔せず、シンプルな文字(配列)や詩が、作品をよりいっそういいものにしています。題もシンプルでわかりやすく、詩とのバランスもいいです。


【部門②】低学年の部 優秀

 吊り輪の遠近感をフレーム内に上手に収めていると思います。輪の中にポエムを入れ込んだことで、声そのものの遠近感も表現出来ていると思います。近くの声、遠くの声として聞こえてきそうです。

 3つの輪が重なり合わず、特に真ん中の輪は左にずれていますが、これは偶然でしょうか。意図的に撮ったのであればとても上手に一瞬をとらえて撮影が出来ていますね。
これからも楽しみながらフォトポエムを作っていって欲しいです。