メディア創造力を育む実践は敷居が高いものだと思っていませんか?
もしそうならば、まずは、ここで紹介するモデル実践を参考に取り組んでみて下さい。
そうすれば、きっとメディア創造力を育む授業のイメージをつかむことができます。
この「メディア創造力・実践ガイド」は、モデル実践を詳細に解説しています。
さらに、その実践で使われた教材(ワークシートなど)をダウンロードすることができます。
ぜひ、これらを活用し、適宜アレンジして実践してみてください。
そして、オリジナル実践に発展させていっていただければと考えています。
この実践ガイドは、Appleが提唱するEveryone Can Createを用いた教育実践です。Everyone Can Createは、あらゆる科目にクリエイティブな表現を取り入れるためのプロジェクトガイドのコレクションです。
「音楽」「スケッチ」「写真」「ビデオ」「教師用ガイド」があります。このガイドを活用すると、iPadを活用してアイディアを生み出したり、生み出したアイディアをiPadで伝える方法を学ぶことができます。学んだことを動画でまとめたり、写真で表現したり、プレゼンテーションやポスターで発信したり、簡単に作曲ができるアプリで自分の思いを音で表現したり…。子ども達の創造力がどんどん豊かになり、発揮されます。
授業を考える際に、creativity(創造性)といったこれまであまり着目されてこなかった部分を充実させることで、最終的なアウトプットとしての制作物の質を高めたり、教育実践そのものの質を高めることをめざしたものです。
実践者:
中村 純一(佐賀市立大和中学校)
山中 昭岳(さとえ学園小学校)
稲田 健実 (福島県立平支援学校)
薄井 直之(古河市立上大野小学校)
荒木 弥生子(金沢市立中央小学校芳斉分校)
岡本 光司(金沢大学附属小学校)
茗荷谷衣里奈(小松市立符津小学校)
▶Everyone Can Create実践事例集(Download:EPUB形式)
6年生の国語科の単元に「みんなで生きる町」というものがあります。ユニバーサルデザインの視点からものを見直し、調べたことを交流して考えを深め、最後は何らかの形で提言をしようという単元です。
情報収集で大切なことは、自分自身の身体で取材することです。だから、ユニバーサルデザインを子どもたちが体験的に理解する必要があります。 そこで、まず、ユニバーサルデザインが豊富にある公共施設を見学して、それらをデジタルカメラで撮影します。そして、その写真を用いて互いの考えをプレゼンテーションをおこない共有します。
次に、学校の周りの道路や公園などをユニバーサルデザインの視点で見直してデジタルカメラで撮影し、その問題点や改善案を考えていきます。
最後に、 そうやって撮影された写真をみんなで話し合いながら、組み合わせて1分間のニュース番組を制作して発信してきます。
体験的に理解しながら協同的に問題を解決していく「活用型授業」の典型的なモデルです。
(実践者:前田康裕 教諭)
4年生の国語科の単元に「アップとルーズで伝える」があります。新聞などで伝えるときに、材料を選ぶ視点として「アップとルーズの効果」を理解し、実際にその効果を使って発信してみようという学習活動になっています。
これまでのこの学習は、「アップとルーズ」の教材文を読んで終わりにしたり、新聞を作ったとしても写真と記事との関連にあまりふれない学習活動だったりということで、なかなか「見ること」と「つくる、みせる」ことを結びつけての学習が成立しにくかったと感じていました。
そこで、今回は、前単元の「新聞記者になろう」と関連付けながら、本単元では「材料を選ぶ効果的な視点を身につける」ことをねらいにしました。写真と文章を効果的に組み合わせ、自分たちのこれまで行ってきたエコ活動を紹介する新聞を作り「子どもエコクラブの壁新聞募集」に応募することを学習のゴールにしました。
(実践者:佐藤幸江 教諭)
4年生の国語の単元に「『仕事リーフレット』を作ろう」があります。これは、説明文教材である「アップとルーズで伝える」で学習したことを活かして、働く人たちから取材を行い、仕事の内容を写真と文章で説明するためのリーフレットを作るという学習です。
リーフレットは複数の写真や文章を組みあわせて表現するメディアなので、どんな写真をどのように組み合わせればよいのかを考えることが必要となります。また、文章も生活作文とは異なり、読んでもらう相手を想定し、目的をもった文章にしていかなければなりません。その意味では、子どもたちの思考・判断・表現の力を高める良い教材となります。しかし、子どもたちの練り上げていく場面が少ないと、その力を十分に高めることはできなくなります。
そこで、今回は、3人グループという小人数による協同学習のスタイルをとり、取材計画、写真の選択、文章の推敲などを十分に話し合いながら練り上げられるような学習活動にすることにしました。また、コンピュータを使うことによって、写真の大きさや文字の配置といったレイアウトに関しても、様々に試行錯誤ができるような場面を組み込みました。さらに、自己評価活動を毎回行うことで、子どもたちは自らの学びを言葉にしていくことになります。単なる「リーフレットづくり」で終わるのではなく、子どもたちの言語活動を活性化させながら、思考・判断・表現の力を高めていくことをねらいにしたメディア創造学習となっています。
(実践者:前田 康裕教諭)
大人になっても優れた絵本の挿絵は、覚えていませんか。この学習活動は「見ること」の学習です。この学習と、物語づくりなどの言語活動とを関連化させて学習計画を立てると、「見る→見せる→つくる」のメディア創造力の学習プロセスとなります。
(実践者:佐藤幸江 教諭)
▶寺子屋リーフレット制作 | 「カンボジアに寺子屋を!!」本物リーフレット制作 |
---|---|
▶特別支援アラカルト | 特別支援教育でICTの活用場面と方法の具体を提案 |
▶国際協働学習の設計と評価 | 国際協働学習のノウハウ、実践を踏まえて |
▶AIと教育 | OpenAI ChatGPTやGoogle Gemini、Microsoft Copilot等のAI活用の教育実践研究 |
▶STEAMキッズプロジェクト | 教室を飛び出し、ものづくりを通した問題解決力 |
▶算数・数学とプログラミング的思考 | Mathpubでプログラミングライクと数学の考え方を同時育成 |
▶データベース活用プロジェクト | 調べ学習からデータベース活用の新たな価値を見出す |
▶フォトポエム | 写真と言葉を組み合わせ、表現することの楽しさを |
▶Everyone Can Create | クリエイティブな表現をとりいれた授業づくり |
▶小学校英語メディア創造力 | 楽しく面白く身に付く小学校外国語での効果的な活用 |
▶School XR | 空間表現や奥行き感のある表現を生かした活動へ |
▶3Dプリンタを活用したまちおこし協力隊 | 学校間交流による地域の魅力を伝える |
▶マメ記者プロジェクト・準備会 | 新聞活用で社会にひらかれた学びの実現 |